人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

行動療法の歴史2 認知行動療法(CBT)/精神障害を知ろう

2021/05/13
 
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どうもたかはしさとしです。今日は祝日なのでまったりしていました。明日は在宅勤務なので、朝早く起きなくてすみますので、ゆっくり眠ることができそうです。11月も下旬に突入したのに、夜になってもそんなに寒くないですね。これも異常な気がしますが、寒い時期はやはり寒くなってほしいものです。

さて、今回の記事の前に当たる記事は次のものです。


まだ見ていない方はみてくださいね。それでは今日の本題に入りましょう。

認知行動療法とは

さて今日は精神障害を知ろうシリーズ第二弾です。行動療法の歴史について見ていきます。行動療法の歴史といっても、現在日本で主流となっている治療法の一つである認知行動療法について少し見ていきましょう。

認知行動療法とは、アーロン・ベックが提唱した認知療法と従来の行動療法を組み合わせて開発された治療法です。認知療法とは認知のゆがみを矯正することで正しい行動をとるように促す治療法です。行動療法は行動を因果関係から矯正しようという考え方でした。ところでなぜ認知が大事なのか。それは認知が行動を支配しているから、認知のゆがみが問題になるわけです。当然、認知がゆがんでしまうと、行動も間違ったものになると認知療法では考えます。そして行動にかかわるトレーニングも当然ありますから、認知理論に基づいた行動療法が開発され、現在の治療法の主流がこの認知行動療法なのです。ちなみに認知とは、言語化された思考のことをさします。

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name=”b2Yza”>たとえば統合失調症にかかった人などは、「何も自分でできない」と自分を認知することがよくあります。これが認知が歪んだ状態です。こうした認知を会話で解きほぐしていったり、社会貢献活動、仕事などを精神障害者に行わせることで、自分は何かしら他人に貢献できることを知って、「何も自分でできない」という考え方を徐々に改めていくように促す取り組みが認知行動療法だと考えていいでしょう。

認知のゆがみはなぜ起きるのか

ではなぜそのような認知のゆがみが生じるのでしょうか。仕事や家庭での強いストレスを受けたとき、物事を新しく始めようとしてうまくいかなかったとき、うつ状態になってしまったときなどに認知がよくゆがみます。そうした症状を経験して物事にうまく対処できなくなると、自分がだめだという認知のゆがみがさらに進んでしまうようになります。

認知行動療法の具体的な方法

簡単に認知行動療法の具体的な方法も見ていきましょう。

大きな流れとしては、次の通りです。

①初期カウンセリング

患者へのカウンセリングを行います。患者の性格、超短所、認知のゆがみがどういったものかを洗い出して治療方針を立てます。当然治療者と患者の間の信頼関係が大きければ大きいほど、この段階はうまくいきます。

②行動的技法を用いた治療(認知行動療法の行動療法的側面)

行動的技法を用いて生活にリズムをつけます。これは主観ですが、生活のリズムが狂うと精神障害になりやすいと思います。

代表的な治療として、日常的に行う行動、優先的に行うべき活動、楽しめる活動・やりがいのある活動を行っていく行動活性化を目指す治療がとられることが多いです。とくに最後の患者が楽しく感じる活動ややりがいのある活動を増やすことが効果的と言われています。

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name=”tBnJc”>そうして身体活動や運動をして自信、自分のコントロール感覚を取り戻すようにしていくことを重視します。

③認知の偏りの修正(認知行動療法の認知療法的側面)

主にカウンセリングの際に、自動思考とよばれる、気持ちが動揺したりしたときに患者の頭に思い浮かぶ考え方に本当に根拠があるかを考えていきます。反証があればそれを考えます。そうした根拠の確認と反証の確認を繰り返すことで、認知のゆがみを徐々に修正していきます。

④治療終結

まとめ

第二世代の行動療法といわれる認知行動療法について見てきました。認知行動療法についていえば、治療者が患者との信頼関係をどこまで気づくかと、患者が自分がどの程度まで回復したいのかという決意などが大事だと個人的にはとても感じます。この認知のゆがみモデルは特にアメリカ合衆国では半世紀近く有効だと考えられてきた理論でしたが、最近は第三世代の行動療法と呼ばれるものが誕生しています。今度、精神障害の話題にふれるときはこの第三世代の行動療法についてみていくことになります。

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

たかはしさとし

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