心理学

心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/シニシズム p276 |『自由からの逃走』18

シニシズムとは、何事にも斜に構えて、世間の生活を罵倒したり嘲笑したり、常識に反することが正しいことを主張して喜びを見出すような詭弁的な生き方、態度のこと。一見するとシニシズムをとる人間は最低な人間です。件の元総理暗殺事件も京アニ放火事件も、...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/懐疑主義 p276 |『自由からの逃走』17

“19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて、ヘーゲル的合理主義の崩壊とともに、再びルネサンス期にも比すべき知的混乱が生じた。この中で生まれた種々の哲学、たとえば反合理主義的信仰主義、反形而上学的実証主義、あるいは歴史的・心理学的相対主義など...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヴェルサイユ条約 p239 |『自由からの逃走』16

歴史的な事件となりますが、ドイツのハイパーインフレーションと並んでナチズムの経済的な原因とされることが多い出来事ですので、ここでは取り上げます。ヴェルサイユ条約とは、ドイツが第一次世界大戦に敗れて、1919年6月に開かれたパリ講和会議におい...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 神経症 p155 |『自由からの逃走』15

現在の精神疾患のうち、昔(DSM-Ⅲが出た1980年より前)は程度の重いものを精神病、程度の比較的軽いものを神経症といいました。現在では正式な精神疾患の病名として神経症ということばが使われることはありません。ドイツ語のノイローゼという単語は...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ フロイト(1856-1939)、精神分析 p154 |『自由からの逃走』14

フロイトの精神分析フロイトの行った臨床精神医学的な実践とその経験から理論化された理論を総称して精神分析といいます。さらにフロイトの精神分析的手法を取り入れて発展させてきたいわばフロイトの後継者たちの実践や理論も精神分析に含めることがあります...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヘーゲル p139 |『自由からの逃走』13

19世紀初頭を代表するドイツの哲学者。主著は『精神現象学』『法の哲学』などです。ドイツ観念論(ドイツ古典哲学)の代表的論者として知られ、論理学、自然哲学、精神哲学の三部門からなる哲学体系を説きました。特にヘーゲル由来のもので知られる今でも大...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ カント(1724-1804) p139 |『自由からの逃走』12

18世紀後半に活躍したドイツの哲学者。近代哲学を代表する最も重要な哲学者の一人に挙げられます。主著は『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』『単なる理性の限界内における宗教』などです。全功績と影響を語ると一日では終わらないくらい功績を...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 二重予定説←カルヴィニズムの予定説 p70 |『自由からの逃走』11

予定説はキリスト教の神学において節目に見直される考え方です。予定説とは、”魂の救済は、人間の意志によるのではなく、神によってあらかじめ定められているとする考え”(山川出版社『世界史事典』)であるといいます。古くはパウロ、アウグスティヌス、ル...
ニーチェ

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ マックス・ヴェーバー(1864-1920)←マックス・ウェーバー p60 |『自由からの逃走』10

ヴェーバーはドイツ語読み、ウェーバーは英語読みで同一人物です。ヴェーバーは社会学黎明期におけるドイツの社会学者、思想家です。社会科学の各領域にマルクスと対照されるほど巨大な業績を遺しました。はじめは国民経済学をおさめて若くしてフライブルク大...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヤコブ・ブルクハルト(1818-1897)←ヤコブ・ブルックハルト p54 |『自由からの逃走』9

ブルクハルトはスイスの歴史家、文化史家で特にルネサンスの研究で有名です。ベルリン大学にて近代歴史学の祖ランケに歴史学を学び、クーグラーに美術史を学びました。数回イタリアを旅行し、古代ギリシャやルネサンス期の文化などから深い人間性への洞察を行...
哲学用語

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 自由の分類:「~への自由」と「~からの自由」 p42 |『自由からの逃走』8

フロムは自由を二種類に分類します。「~からの自由」は組織や圧力、束縛からの解放で得た自由です。自分が主体的に選び取るニュアンスが少ないため、消極的自由とも呼ばれます。たいして「~への自由」とは自分自身が積極的に自由を行使してその対象を得よう...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 個性化(individualization) p33 |『自由からの逃走』7

“個人がその人が持つ固有の特性を自覚し、発達させ、発揮すること、またそのことが相互に尊重され、価値とされる社会の在り方をさして個性化という。” (『社会学小辞典【新版増補版】』,有斐閣,2005)上記解説文によると、個性化には二つの意味があ...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 精神分析に影響を受けた人類学←精神分析的概念の人類学 p30 |『自由からの逃走』6

フロムが精神分析を社会心理学に応用しようとしたように、文化や社会に無意識の考え方を採用してこの分析を行おうとする文化人類学が20世紀前半のアメリカを中心に流行しました。北米の先住民文化にはアポロ型、ディオニソス型、パラノイア型という三つのパ...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ フランス社会学派(デュルケム学派)←「社会学的理論(デュルケムおよびデュルケム学派)」 p21 |『自由からの逃走』5

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスの社会学者エミール・デュルケムを中心に、デュルケムの弟子たちによって形作られたグループ。社会学のみならず、民族学(文化人類学)、言語学、倫理学、法学、経済学などの研究を行う学者もいました。デュルケ...
心理学

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ エディプス・コンプレックス p18 |『自由からの逃走』4

フロイトの提唱した概念。精神分析で子供(男の子)の心が発達し自立していく際の心のあり方を説明した概念です。子供は母から愛されることを欲しており、同時に母の愛する人(つまり父)をねたみ憎みます。一方で自分が父のようになれば母の愛が得られると考...