平等に人と接することの意味−自分のためにも他人のためにもなる大事な心がけ
2018/07/22
どうも哲学エバンジェリスト高橋 聡です。今日は平等に人に接することの大事さについて考えましょう。簡単にいうと、平等に人と接することは他人のためになるだけではなく、自分のためにもなるのです。さっそく平等の意味についてみていきましょう。
平等の意味
平等とは、すべての人を偏見や差別なく扱うことと言えます。とはいえ具体的にどういう意味があるのでしょうか。類義語から考えてまいりましょう。平等とは対等に扱うことである
人は一人では生きていくことはできません。だからこそ人は生まれてから家族、地域社会、国家、国際社会といった様々な大きさの社会に所属し、そこで成長します。わたしたちは誰もが両親から生まれるわけですから、初めから平等=対等に扱われるわけではありません。様々な人の助けを受けながら、子供から大人へと成長していきます。成長して大人になった際、現代社会では平等に人と接することを学びます。言い換えれば、大人同士の関係では自分と他人を対等に扱わなければならないのです。あなたが他人を見下すことでのあなた自身の弊害、見下した人の弊害、社会への弊害はのちで考えます。ここでは対等に扱うことが平等の実質的意味だということをおさえておいてください。
平等とは同位である
同位とはどういうことでしょう。位を同じくするという意味です。この同位ということの実質的意味は、確かに生まれながらに経済的平等はないかもしれない。あるいは政治的平等もないかもしれない。王様の家に生まれた子と庶民の家に生まれた子は位は違うかもしれない。ただ、これをすぐにひっくり返すことが同位であるというわけでは断じてないのです。たとえ人は生まれながらにして差異があるのは当たり前だったとしても、位の高い人が位の低い人と同じように、また位の低い人が位の高い人と同じように心の中で同位となるということです。そして他人がどのように自分に対して差別をしようとも、わたしは同位として扱うのだ、という姿勢が大事なのです。
平等とは公平であることだ
次に平等と関係する大事なワードが”公平”です。公平の意味は、判断や処理が偏らないことということです。どんな立場にいようとも、公平に判断することが平等とつながります。仮に親しい友達と見かけたこともない他人の二人が良いことをしたとしましょう。その際に、どちらの良いこともあるがままにみて、価値判断を下すということです。平等に人と接する上で、公平な判断は必ず必要になってきます。
平等とは中立である
中立は現実問題かなり難しいものです。完全な中立性を求めると、どちらも敵になってしまう危険性をはらんでいるし、自分も人間でいる以上、自分の現在の考え方に近い方に組しがちです。だから次のように考えるべきでしょう。中立とはおおまかにいって、二つの反する意見があればどちらにも偏りすぎないように心がけることである、と考えられます。平等も完全な平等は無理でも、その現状を嘆くのではなく、あなた自身が平等に人を扱うことができるように心がけるべきものなのです。なぜ平等に接するが大事なのか?
これまで平等の意味について考えてきましたが、なぜ平等に接することは大事なのでしょうか。簡単にいうと、不平等が進行しすぎると社会的に停滞し、また他人との関係にも不利益を生じ、何より自分自身にも悪いからです。
不平等が行き着くところは社会的な停滞である
不平等が進行している社会とは、奴隷制がある社会を思い起こせばいいのですが、社会的に停滞が生じます。社会の強者(主人)が社会の弱者(奴隷)から搾取するのが奴隷制社会です。ところで主人は奴隷から搾取すればするほど儲かり、社会的地位も上がりやすいですから、主人は多くの奴隷を連れてこようとします。ところが人口は当然ながら無限ではありません。主人が奴隷を連れてこれなくなると、労働力が足りなくて社会が停滞します。もちろん奴隷制があった当時と現代を直接同じ状況というわけにはいけませんが、不平等が社会的停滞を生みがちなのはイメージできるかと思います。社会の構成員のすべてが対等に分業によって得た事業をより生産的に他の事業を組み合わせていける環境だと、もっと生産的になるし豊かな社会になることは誰でもわかることでしょう。ただし資本主義社会では次の問題点もあります。経済的不平等を解消しようとして、具体的に行動して事業を起こそうとする人にこそ、お金が集まり、結果的に経済的不平等が進行してしまうという問題があります。この点については、また別の時に考えてみたいと思います。
不平等は他人との関係を悪くする
不平等が当たり前の社会では、他人との関係はギクシャクしがちです。自分が他人を見下して接すると、そのように接っしられた人は内心よく思いません。他人が自分を見下すと、当然その人に対して敵愾心が生まれる人もおおいでしょう。あなたがどう感じても、平等でない扱いを受ける人は良いように思わないのが人間の心理なのです。不平等が行き過ぎる社会だと、社会は停滞するといいましたが、やがて支配者と被支配者がいがみ合い、敵対することで暴動や紛争が起こることも少なくありません。だからぼくらは不平等を是認してはならないのです。