人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ポジティブ心理学|心理学の用語解説

 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。本日はお休みの日曜日でした。少しだけ買い物にでかけたほかは、読書やnote執筆などに時間をあてることができて、有意義な一日を過ごせました。

読書は染谷昌利さん著作の『副業力』を読んでおりました。副業のすすめと実践のための最初の一歩を踏むための情報を詳しく解説してくれている著作です。興味がある人は読んでみてくださいね。

ちなみにその『副業力』に書いてあったのが、これからの時代もっとも必要になるのが情報発信力だということです。この情報発信力は一朝一夕で上昇させることができる能力ではありません。実に徐々にレベルアップしていくしかない能力なんですね。

今回から用語解説を中心に書いていくのですが、前置きの部分は長めに書いていこうと思っています。ぼくが書くのもわかりやすい文章から書くとリズムが乗ってきて難しい文章も書きやすくなるということと、読む側からしてもニュース程度に情報を知ることができるからです。

では、さっそく本日の内容に入ってまいりましょう。なお、本記事で大いに参考にしたのが『ポジティブ心理学が1冊でわかる本』(I・ボニウェル,2015,成瀬まゆみ監修・翻訳)です。

ポジティブ心理学

ポジティブ心理学とは、マーティン・セリグマンが1998年に提唱した心理学の呼称を指します。ポジティブ心理学の登場以前の従来の心理学はうつ病や統合失調症の治療のために、精神疾患を研究対象としていました。病気の治療のために心理学という学問があったのです。イメージとしては、-10を0に限りなく近づける心理学だったわけです。ところがセリグマンはこの心理学の現状に異論をはさんだのです。その名称ポジティブ心理学が指すように、+2のものを+7に増やしていくような心理学を樹立しよう、と宣言したのです。そして「人生を本当に充実したものにするのは何か」という問いを発して、幸福や強みなどのポジティブな要素に着目して研究し、人生に役立つものを提供しようとするポジティブ心理学が生まれたのです。

ポジティブ心理学についてセリグマンが語っているTED動画がこちらです。

セリグマンのTED動画

マーティン・セリグマンをはじめ、世界的に有名な学者も多くポジティブ心理学の潮流に参加しています。フロー研究のミハイ・チクセントミハイ、EQ研究のダニエル・ゴールマン、幸福研究のエド・ディナー、マインドセット研究のキャロル・ドウェック、GRIT研究のアンジェラ・ダックワースなどが日本でも有名です。

ポジティブ心理学の研究結果から、さまざまな人生の役に立つ結論を導き出すことができます。たとえば
  • 快楽だけでは真の幸せにたどりつかない
  • 自らの力によって、幸福度はあげることができる
  • 楽観主義者のほうが病気になりにくい
  • ポジティブ感情は創造性を高める
  • 選択肢がありすぎると、人は苦悩する
  • 成功するから幸せになるのではない。幸せだから成功するのだ
  • 他者に貢献することは自己の幸せとなる
ポジティブ心理学の研究成果から導き出された結論に触れることで、一番重要なことですが、幸福に関する考え方が変わり、みずからの幸福度が上がるということです。

ポジティブ心理学の3つの研究領域

ポジティブ心理学には3つの研究領域があるといいます。それは主観的階層、個人的階層、社会的階層の3つです。

主観的階層では、「よい気分を感じること」に焦点を当てます。この階層ではポジティブな体験、喜びやウェルビーイング、満足感、フローなどが研究対象となっています。

個人的階層では、よい人生の構成要素やよい人間になるために必要な個人的要素などを研究対象とします。主に人間の強みや美徳、愛する能力、勇気、独創性、対人スキルや才能についての研究がなされています。

社会的階層では、人としての人格の向上と所属する社会の発展に寄与して、個人を超越していくための要素を研究対象として扱います。具体的にいえば、道徳や社会的責任、教育、利他主義、寛容、組織などです。

ポジティブ心理学のまとめ

ポジティブ心理学はセリグマンが提唱してはじまった心理学の学問領域です。ところが心理学の創始者たちは病気の治療のための学問だけでなく、生活の質の向上のための心理学と優れた才能を教育して伸ばす心理学も大事なものとみなしていました。ところがフロイト以降、心理学の兆候は精神医学に資するための学問となってしまいます。それに反対したのはセリグマンがはじめではありませんでした。アブラハム・マズローやカール・ロジャースなどの人間性心理学の創始者たちは病気のための心理学からの脱却を唱えていましたが、科学的方法に立脚しない部分があったため、廃れていったのも事実です。ポジティブ心理学は人間性心理学の立場と大変近い部分はあるものの、科学的実験の成果を用いて、より科学的にポジティブな事象についての心理学を樹立することに成功し、今に至っています。

たかはしさとししるす

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