人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

近代哲学の巨人 カント2

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日はいきなり寒くなりましたね。寒くなってようやく冬を感じることができてよかったです。でも寒くなったらなったで、防寒対策が大変なのは認めます。季節を感じることができるのはとてもいいことですけども、寒かったら寒いなりの不便がたくさんありますよね。わたしは北海道に住んでいたことがあるんですが、北海道では冬場になると憂鬱を感じることがあるくらい外に出たくなくなりますね。例年の寒さに加え、今年はコロナが追い打ちをかけていますので、外に出ないで過ごそうとする人も多いでしょう。北海道で一軒家に住んでいる方は雪下ろしをしないといけないので、大変ですね。くれぐれも命大事に、過ごしていただきたいですね。


本日のカントをめぐる用語

さて今日のテーマはカントパート2です。前回カントについて触れた記事がこちらとなります。



まだ読んでいらっしゃらない方はぜひお読みください。カントは本当に超重要人物なので、分量が多くなってもある程度仕方ないんです。カント哲学の重要な概念や用語を中心に、カントの思想がわかるようにできるだけ平易な記述をこころがけます。

そして本日のカントをめぐる用語は、理性、理論理性、実践理性、感性、悟性、二律背反(アンチノミー)、アプリオリ/アポステリオリ、カテゴリーです。少し多いですが見ていきましょう。


理性・感性・悟性・理論理性・実践理性

カントにおいて、理性は経験に先立つ認識や行動の能力のことです。対象を認識する能力である理論理性と、全を実践する意志の能力である実践理性にわけることができます。


name="5smrR">感性とは感覚のことです。感覚器官を通じて与えられたデータの処理方法を特に感性と呼ぶと思ってください。その感性に与えられ、処理されたさまざまなデータに思考の枠組み(カテゴリー)を当てはめて対象を構成する能力悟性と呼びます。

理論理性とは、悟性が構成したひとつひとつの対象を全体像に統一する働きのことです。

実践理性とは、人間に先天的にそなわっている善を実践しようとする道徳的な意思能力のことです。

まとめると次の図のようになります。

理性


二律背反(アンチノミー)

アンチノミーとは二つの命題が同じだけの妥当性をもちながら、互いに矛盾して両立しないことをさします。カントによれば、経験の領域で使われる理性の原理を、理性が限界を超えて推論を行うことから、4つのアンチノミーが現れると言います。第一アンチノミーが、時間と空間の限界の有無、第二アンチノミーが分割不可能な要素からできている物体は無限に分割可能かどうかということ、第三アンチノミーは原因と結果の連鎖である自然界に原因の究極の原因である自由は成立するかということ、第四アンチノミーが神は存在するかしないかということです。

これらの命題は経験の領域を超えて推論されているので、経験によって確かめることは絶対にできません。さらにいえば、このアンチノミーは理性が自分自身の限界を打ち破ってつくった矛盾だといえます。カントはこれらのアンチノミーの持つ絶対的な矛盾をどのように解決できるかを考えて、『純粋理性批判』を書き上げたといってもいいすぎではありません。


アプリオリ/アポステリオリ

name="6Pgmw">アプリオリとは、経験に先立ってという意味です。カントにおいてアプリオリとは、生得的なものを言います。逆にアポステリオリとは、経験に基づき経験から得られたもののことをさします。

カントは経験から得られたものは普遍性を持たないと考えました。そして普遍的な認識を成立させるには、アプリオリな能力だと考えたのです。人間は現象を把握する際に、時間と空間という感性の主観的形式と、思考の枠組みである悟性の思考形式であるカテゴリーという二つのアプリオリな形式を備えていると考えたのです。


カテゴリー

カントによれば、カテゴリーとは純粋悟性概念と呼ばれる思考の主観的な枠組みのことをさします。主観は経験により感性に与えられた感覚的印象をアプリオリな悟性の思考形式であるカテゴリーのもとに包摂して、その枠組みにそって統一し対象を構成する、とカントはいいます。カテゴリーには、原因と結果や実体と属性など、12のカテゴリーがあるとカントは述べています。

今日はここまで。以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

たかはしさとし しるす



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