ニーチェの『ツァラトゥストラ』を読めばよい人
どうもこんばんは、高橋聡です。最近オリンピックがはじまって盛り上がっております。無観客とはいえ、やはり全力で切磋琢磨した選手たちがぶつかりあうのはとても胸が高鳴りますね。スポーツの祭典をやることってなんだかんだいって大事なのかもしれませんね。
今日はニーチェの名著『ツァラトゥストラ』について考えたいと思います。だれが読めばいいのか。どういう人に役立つのか、考えていきたいと思います。
まずは『ツァラトゥストラ』という著作について少しみていきましょう。
ニーチェの『ツァラトゥストラ』概要
『ツァラトゥストラ』は『ツァラトゥストラはこう言った』『ツァラトゥストラかく語りき』などと邦訳されることも多いです。この本の主人公がツァラトゥストラです。ツァラトゥストラは実在の人物で、古代ペルシャの宗教改革者なんですね。日本語ではゾロアスター教という宗教を確立させた当の人物でして、ツァラトゥストラはゾロアスターのドイツ語読みだと思ってもらえばいいです。ペルシャの原音表記ではゾロアスターはザラスシュトラと呼ばれます。
さて『ツァラトゥストラはこう言った』と邦題にはついているんですけど、この宗教改革者ゾロアスターそのひとが言った語録では当然ありません。ニーチェが善悪二元説を説いて人間の苦しみを見つめた最初の宗教者としてゾロアスターに敬意を払い、あえてゾロアスターにニーチェ自身の言葉を仮託する形で語らせているのが本書なんですね。
超人と永劫回帰という二つの中心概念があって、それらを巡っての考察が延々と続く思想書だと思ってもらえばよいです。有名な言葉「神は死んだ」も本書で出てきますね。
それではさっそくツァラトゥストラの序説1という冒頭の部分の言葉に触れて、少しニーチェの哲学に触れてみましょう。
ツァラトゥストラの序説1の一番大事なところ要約
煩わしくなるほど蓄えたわたしの知恵を、求めている人たちに届けたい。
わたしは自分の知恵を分けあって、プレゼントしたい。
賢者、知者の類いの人たちには「わたしは何も知らなかったのだ」と悟らせ、
貧者、何ももたない人たちには「わたしには固有の徳があった」と悟らせたい。
そのためにはわたしツァラトゥストラは太陽のように、没落しないといけない。
太陽の没落が地球の裏側を照らすように、
わたしの没落が様々な人たちを奮い立たせるきっかけとするのだ。
序説1にでてくる概念
贈る・・・ツァラトゥストラ=ニーチェからわれわれ人類への贈り物が『ツァラトゥストラ』という著作なんですね。英語でいうとgive、贈り与えることをひたすらする人間が結果的に成功することが多いというアダム・グラントの『Give&Take』という心理学の本があります。まずどのような形であれ、贈り与える気持ちから出発して、行動に移している点も大事なところですね。
没落・・・太陽が沈むことを直接的にはイメージされている。太陽の没落は光の喪失であると同時に、地球の他の地域へ光を届ける準備でもあるということが大事ですね。人間が没落するといったとき、一時的には下降したように見えるんだけど、それは自己向上の一種であって、キリストの遜りを連想させるワードでもあります。
『ツァラトゥストラ』を読めばよい人
こうしたことから考えてツァラトゥストラを読めばよい人は、
・何かしらの知恵を誰かに贈り与えたいと思っている人
・なにをやっていいか悩んでいる人
・自分の内省をしたい人
・ニーチェの思想に興味のある人
・自分軸を強く持ちたい人
だと思います。とにかく何かしら行動したい人に読んでほしい本ですね。
以上、今日はニーチェの『ツァラトゥストラ』を読めばよい人について考えてきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。