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戦いと真の友–ニーチェ『愉しい学問』<序曲>への注釈6

2018/06/14
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。

どうも、哲学エバンジェリスト高橋 聡です。今日もニーチェの『愉しい学問』(別訳『悦ばしき知識』)の<序曲>への注釈を記したいと思います。なお、引用はすべて講談社学術文庫版『愉しい学問』森一郎訳からです。では早速見ていきましょう!

41番 ヘラクレイトス主義

地上の一切の幸福を、

友よ、与えてくれるのは、戦いだ。

そう、友となるにも、

砲煙が必要だ。

友の証しとなる三位一体とは、

苦難を前にしての兄弟愛、

敵を前にしての平等、

そして自由−−死を前にしての。

戦いが幸福のカギ

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地上の一切の幸福を与えてくれるものは、”戦い”であるという。戦いとは”殺し合い”のことだけを指すのでは無論ない。ぶつかり合い、その結果手に入れたものが幸福なんだ。

”友の証し”の三つの印として、苦難を前にしての兄弟愛、敵を前にしての平等、死を前にしての自由があるとニーチェはいう。

友の証し

つまり本当の友とは、苦難の時に兄弟のように助け合える関係であり、また敵が前にいる時にすべて平等に扱える仲間であり、死を前にして自由に振る舞うことができる人のことだ。戦いが苦難をもたらし、敵を作り、死を与える。今の日本の平和状態では、本当の友は得難いのかもしれない。

まとめ

真の友は本当に得難いものだが、得ることができればあなたのすごい力となる。真の友は戦いの前で繋がれる仲間である。

43番 激励の言葉

名声を得たいと願っているのか。

ならば、次の教えに留意せよ−−

潮時になったら名誉を進んで断念せよ、

名誉にかけて。

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名声と名誉の違い

名声と名誉の違いを考えたことはあるだろうか。ぼくは何度かあるが、ニーチェのこの節にであうまでまとめていなかった。さて、辞書によれば名声とは次の意味だ。

ほまれ。良い評判。

『広辞苑』【名声】より

では名誉とは、どういう自体を指すのだろう。

①ほまれあること。よい評判を得ること。ほまれ。

②名高いこと。有名。

③道徳的尊厳、すなわち人格の高さに対する自覚。また、道徳的尊厳が、他人に承認・尊敬・賞賛せられること。

『広辞苑』【名誉】より

ニーチェが3行目の文脈で使っているのは、①の意味ではなく、②か③だろう。

つまり、名声とは社会的に良い評判を受けることであるのに対して、名誉とは個人的な人格の高さに対する自覚をさす。

”社会的に良い評判を受けたいならば、良い時期になったら個人的な人格の高さを断念しなさい、良い評判にかけて”

といった意味だ。

まとめ

社会的な名声を得るには、個人的な名誉を断念しなさいという教えだが、これには次のことが含意しているかもしれない。

つまり、個人的な名誉を捨て去って、プライドを捨て去って活動を続けろ、そうすれば名誉が付いてくるよ。という意味にも取れないか。多面的な解釈を許すのがニーチェの面白いところだ。

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