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善こそが知と真実をもたらす:プラトン『国家』のメッセージ

 
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こんばんは!


 


草の根平和推進者 平高橋聡です。


 


今日はあなたにギリシャの哲学者プラトンのメッセージをお伝えします。


 
 

国家〈上〉 (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
1979-04-16



プラトン『国家


//


知られるものどもには、真実を授け、


知るものには知るはたらきをもたらすこのものこそ、


善のイデアであると考えてくれたまえ。


これは知と真実の原因である。


また知と真実については、


ちょうど先の場合に光と視覚を太陽に似たものと見なすのが正しく、


太陽そのものと思うのは正しくなかったように、


そのようにまたこの場合もこれら両者は善に似たものと見なすのは正しいが、


これらのどちらをも善そのものと思うのは正しくなく、


人は善のありようをこれよりもっといっそう尊いものとしなければならないのだ。


//


 


では、さっそくメッセージを取り出しましょう。


 


あなたはとはなにか考えたことがありますか?


 


実は、とは知と真実の原因だとプラトンは言います。


 


どういうことでしょうか。


 


悪に基づいた知識などたくさんあると感じることがあるのではないですか。


 


でも、それはここでいう知とはまた違うものです。


 


悪が原因の知識とは、明るみに出した際、決して肯定することができない


 


真実とは言えないものです。


 


対して、善に基づく知は、少なくともその時代では、


 


みんなの前に出して、明らかにした場合、


 


それは正しい、真実だといわれる知なのです。


 


だから、犯罪に走らせる知識などは、

決して真実と認められないため


 


善に基づいた知識とは違うものです。


 


もちろん時代的制約はどの時代でもあります。


 


プラトンの時代は奴隷制正しいとされていましたが、


 


の時代にそれを正しいという人はいないでしょう。


 


つまり、ここから善とは何か、正義とは何かという議論が起こってきます。


 


それでもあなたは、本当の意味で善だといえる


 


行動を常にとるように心がけていますか。


 


そう、今は正しいとされていなくても、


 


いずれ正しいものとなると確信する知識も、


 


やはり善から来ているということができます。


 


あなたもそれに気を付けて行動しましょう。


 


歴史的にみて、現在別におかしくないことでも、


 


あなたがした行動は、将来、正しくないといわれることもあるからです。


 


歴史的に悪名を残すとはそういうことです。


 


気を付けてまいりましょう。


 


 

国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)
プラトン
岩波書店
1979-06-18


 

これがプラトンからあなたへのメッセージです。


 


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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