人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

世界のゲーム史|ファミコン登場まで

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。今回の記事は#自己紹介をゲームで語るというテーマで募集されていたnoteのお題を見て、思い浮かんだことを書いていこうと思っています。特別記事になる感じですね。

ゲームの社会学的特性

世界のゲーム史、日本のゲーム史というのは文化人類学や社会学の論文や本を書こうと思えば書けるほど面白いテーマですね。PCゲームコンシューマーゲームでも分けることができますし、今だとスマホゲームもとても大きい市場となっております。が社会現象を引き起こしたり、社会問題になったりすることも珍しくありませんね。ゲームはゲーム好きな人を通して社会に影響を与えるくらい大きな存在です。

ところでここでなぜ世界のゲーム史を見るのか。あなたのゲーム歴を語ればいいだけじゃないか、と思われるかもしれません。自分の好きなゲームを紹介するだけならそれで構わないでしょう。しかしながら、好きなゲームの社会的な位置づけを知ることで、わかることが意外とあるんですね。例えばどの年代のどのゲームを好んで行うかは、一つの生活態度そのものであり、フランスの社会学者ピエール・ブルデューのいうハビトゥスに当たるものです。ハビトゥスとは文化資本の一種でもあります。文化資本については最近触れたばかりですので、以下の記事を参照してみてください。


ブルデューの主張を簡単にいっておくと、ゲームの好みを含め、趣味はすべて社会階層によって規定されるものであることが判明している、というのです。個人的判断の入る余地が全くないわけではもちろんありません。任天堂のゲームでいえば、マリオシリーズ、ゼルダシリーズ、カービィシリーズと三つのうちどれを一番好きか、プレイしたいかはその人の感性や経験からもたらされた判断が当然入り込みます。社会階層によって決定されているというのは、次のような場合を仮定すればわかりやすいでしょう。たとえばゲームはおろか、電気すら整備されていない世界の地域があるとして、そこではゲームの話題を話してもきっと存在すら信じてもらえるかもあやしいですよね。当然電気などのインフラが整ってないといけないですし、まずゲーム機が手に入る地域でないとゲームはできませんよね。ゲーム機が手に入っても任天堂のゲームが手に入る地域はさらに限られますね。さらにすべての条件を満たす地域に住んでいても、貧しくてゲーム機が買えないとか、教育の都合上ゲーム機を与えない方針の家庭で育った人は、ゲーム機を手にすることはありませんし、家庭でゲームを遊ぶことはないでしょう。その条件に外れてゲーム機を買うお金があって、なおかつゲームをやってもいいという家庭環境を見れば、それだけでゲームで遊ぶこと人のある程度社会階層は限定されてきます。

そしてその人が周りで付き合う人間関係においてどんなゲームがなされているか、またどんなゲームがはやっているか、他の趣味との関係などによってようやく自分の好きなゲームが決まってくるのです。ほかの趣味との関係というのは、ぼくのように歴史が好きな人間は歴史ゲームをやることが多いとかそういったことを言います。ほかの趣味も社会階層によって規定されますから、好きなゲームが同じということは、結果的に自分の家庭環境にかなり近い社会階層の人だということがわかります。

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name=”Kf1Nk”>世界のゲーム史(ファミコン登場以前まで)

世界のゲーム史といっても、ここで取り扱うのはコンピュータを用いたゲームですので、カードゲームやボードゲームは除外します。ここでいうゲームとは、現代のコンピュータはほとんどがノイマン型コンピュータなので、CPUとメモリ、入力装置と出力装置をもったコンピュータで遊ぶことのできるゲームと定義しておきましょう。

1940年代後半/MITのWhirlwindで動いたBouncing Ball

1940年代末にMITでリアルタイム処理を目的として開発されたコンピュータがWhirlwindです。当時はバッチ処理といって、計算式を機械語で記述して、その計算結果を数時間から数日間待って、計算結果が紙にプロットされるデータを読むのが普通でした。そこで現れたWhirlwindはモニタを備えた初のリアルタイム処理を行うコンピュータです。大きさはとても大きい今でいうスーパーコンピュータです。

モニタを備えていましたから、ゲームも作られたようです。それがノイマン型コンピュータ最初の記念すべきゲームと言われるBouncing Ballです。といってもボールがバウンドするだけのゲームだったらしいです。


上の画像がWhirlwindというコンピュータの一部。残念ながらBouncing Ballの画像は残っていません。

1950年のBertie the Brain/1952年のEDSACで動いたXOX

両方とも現代でいう○×ゲームですね。コンピュータ黎明期にこういうゲームがすでに遊べたのは、すごいと思いますよね。

1962年 PDP-1上で動くスペースウォー!

スペースウォー!は世界初のシミュレーションゲームです。ミニコンピュータといわれたDEC社のPDP-1上で動作しました。
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実機でスペースウォー!の動いている状態です。なんだか動きがはやくて予想外に難しそうですね。

1972年 世界初の家庭用ゲーム機オデッセイが発売

マグナボックスが発売した世界初の家庭用ゲーム機オデッセイ。オデッセイ出現により、コンシューマーゲーム機市場が世に出現しました。

YouTubeで動画があがっています。見たことのない接続端子があってこのYouTuberもこまっていましたねwテレビにビニールを張り付けて遊ぶってなんだかすごく新鮮ですね。

同1972年 アタリ社がアーケードゲームPONGを発売

YouTubeを見てもらったらわかると思います。ゲーム自体は結構遊べるものとなっています。ただしアーケードゲームでかなり大きいアーケードマシンが必要になったみたいですね。PONGは実は先ほどのマグナボックス・オデッセイの卓球ゲームをパクって改良したものです。商業的にはじめて成功したゲーム(機)だといわれていますが、ここでのアタリ社の成功がのちに説明するアメリカの株価を大暴落させるアタリショックの一要因となってしまうのでした。

1975年 初のアドベンチャーゲームColossal Cave Adventureの完成

1975年にテキストだけで構成されたアドベンチャーゲームが発売されました。ミニコンPDP-10上で動作し、FORTRANで書かれたゲームです。

こんな感じのゲームですね。まだ素っ気ないものですが、テキストベースなら十分に遊ぶことができたのでしょう。

1977年 Atari2600発売

アタリ社が発売した第2世代の家庭用ゲーム機。最終的にアメリカの1/3の家庭が保有するようになったという伝説のゲーム機。スペースインベーダーの移植版など大ヒットと呼べる作品もありました。ゲームをサードパーティ、つまりアタリ社と消費者以外の第三者に開発が許したことで、市場が大きく膨らみました。しかしクソゲー量産の時代が進み、E.Tパックマンの二つのタイトルが予想外に売れず、さらにクソゲーばかりの状況によって1983年にアタリショックを引き起こします。

1983年 アタリショック

家庭用ゲーム機市場のアメリカによる死、あるいは終焉が1983年に起きました。ビデオゲームの墓場がアメリカ各所につくられ、ゲームが埋葬されましたとさ。Atari2600のゲーム市場だけでなく、他にアメリカで発売されていた家庭用ゲーム機市場をほぼ壊滅に追い込んだ現象です。1985年に日本のファミコンがアメリカでNESとして発売されてようやく、アメリカの家庭用ゲーム機市場は再び拡大していきました。おそらくこのアタリショックがなければ任天堂やのちのSONYの成功はなかったかもしれないですね。ゲームとアニメ・漫画だけがガラパゴス化しないで世界に通用する日本のプラットフォーム・コンテンツなんですが、ゲーム市場においてはアメリカのゲーム機黒歴史時代があったから、今世界で通用している側面はあると思います。

1983年 MSX/ファミコン/コンピュータビジョン/RX-78/TVボーイ/PV-2000/ぴゅう太Jrなど日本を中心に発売

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name=”w39OM”>第三世代家庭用ゲーム機が発売されるようになりました。あとの歴史は日本のゲーム史とほぼ被るのでそこで見ていきましょう。特筆すべきはマイクロソフトがMSXというゲームパソコンを主導して、パナソニックやソニーなどが発売したことですね。商業的には失敗しましたが、このゲームパソコンにおいてプログラミングを習得した人も大変多かったようです。

以上、世界のゲームの歴史について見てきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たかはしさとししるす 令和3年1月10日

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