人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ケチであれ!

 
この記事を書いている人 - WRITER -
哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
詳しいプロフィールはこちら

ケチ。イメージ悪いですよね。

どうもこんばんは、哲学エヴァンジェリスト高橋 聡です。

ルネサンス期のイタリアは政治的にとても混乱し、
外国からも侵略されまくりの地域でした。
統一国家などはなく、文化こそ栄えてはいても
政治的安定を望むべくもない状態。
そんなときに出てきた政治思想家がマキアヴェリです。

今回はマキアヴェリの『君主論』から
リーダーたる者はケチたれという彼の名言を見てみましょう。

//
要するに君主が、
鷹揚だという美徳を誇示して、世間に認められようとすると、
自分が傷つけないわけにはいかない。
そこで英邁な君主は、ケチだという評判など、
少しも気にかけてはならない。
それは、君主の節約心によって、
歳入が十分に足りて、
外敵から自分を守ることができ、
民衆に負担をかけずに大事業に乗り出せる人物だと知れれば、
時がたつにつれて、この君主は、
おおらかだとの評判をいっそう高めるからだ。
こうなれば、君主は、
なにひとつ物を取り上げたりせずに、
数多くの人々に鷹揚にふるまったことになり、
少数の者になにもやらずに、
けちをおしとおして、それですむことになる。
// 中公文庫 池田廉訳

鷹揚とは太っ腹なこと。
普段はケチして、
大事業をなす際にどかんと使える人間になれ、
そういうことです。
そうすれば、自分の取り巻きに与えるだけではなく、
いろんな人たちに太っ腹に振る舞ったのと同じことになるんです。

冷酷冷徹な思想家としてイメージが強い
マキアヴェリですが、実際は君主論には
いいことがいっぱい書いてあります。
これを読んでる方も是非読んで見てくださいね。

哲学エヴァンジェリスト 高橋 聡 

この記事を書いている人 - WRITER -
哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© ニーチェマニア! , 2016 All Rights Reserved.