人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

【常識を疑えコラム:負債に関する会計的考え方】

2017/03/18
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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『哲学大図鑑』ウィル・バッキンガム著 三省堂
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哲学とは、根本的な問いへの答えを与えてくれるというよりは、
まず慣習的な見解や伝統的な権威をうのみにするのをやめて、
推論を駆使してみずから答えを見つけだそうとする過程だ。(p12)
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・負債はマイナスイメージだが、実際はどうなの?

どうも、哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。
私は哲学とか思想とか、そういう方面も得意なのですが、
税理士財務諸表論科目合格、日商簿記1級取得者でありまして、
会計的負債について考えてまいります。
哲学の一つの仕事に常識を疑うことがありますから
そう遠く離れた話ではないはずです。
さっそく話に入りましょう。

負債というと、どうもマイナスのイメージが常に付きまといます。
法的な債務、つまり借金などするのが
悪いイメージが特に日本では強いと思います。

でも、このイメージって会計的に言えば明らかに間違いです。
負債というのは資金調達手段の一つであって、
生かすも殺すもその報告主体(会社や個人事業主)の運用次第。
プラスになるかマイナスになるか
報告主体の事業成果次第なのです。

どういうことか簡単に説明しましょう。

あなたは今借金がありません。
貯金が100万円あるとします。
単純にあなたは資金を運用して
1年の純利益率が10%上げられる見込みがあります。
10万円の原資があれば、
1年で1万円の利益を出すことができるということです。

勘のいい人はここで気付くと思います。
借金するとして、その年利が5%ならどうでしょう。
当然、借金してでもその事業に使いますよね。
これは投資額が大きくなっても
純利益率が下がらないケースの話ですが、
100万円なら10万円しか儲からないところが、
100万円借金をしても
合計原資200万円の儲け20万円、
借金の利息5万円を引いて純利益15万円となります。
借金したほうが儲け増えまんがな!

とこれは単純に失敗がない前提だから、
そんなこと言えるんだろうと思うかもしれません。
たしかにそういう側面はあります。
だとしても、
運用次第でプラスにできることは
常に気に留めておく必要があります。
ここまで来たら、
負債はプラスにもマイナスにもなるもの
だということがなんとなくわかるでしょう。


・財務諸表をみてみましょう
さらにいうとベンチャー企業にしろ、大手企業にしろ、
攻めの姿勢を打ち出す企業は負債が結構多いです。

NTTドコモとソフトバンクグループを比べてみましょう。

NTTドコモ(単位:百万円)
資産;7,214,114 負債:1,854,788 純資産:5,343,105
ここで総資本負債率を出すと、25.7%

ソフトバンクグループ(単位:百万円)
資産:20,707,192 負債:17,201,921 純資産:3,505,271
ここで総資本負債率を出すと、83.0%

とこういう風に、常に攻めの姿勢で海外の携帯会社などを
買収してきたソフトバンクですが、負債率が高くても
成長の見込みがあれば、つぶれることはないのです。

これは個人に関して丸々適用できるわけではもちろんありません。
でも負債を単純な悪者にしないであげてくださいね!
この利率が格安の今の社会においては、
これは一つのチャンスかもしれませんから。

・まとめ
もちろんお金の利用は計画的に、ですよ!
自己投資の資金と許容できる
負債のバランスを考えましょうね!

 

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