人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

会計と哲学

2017/03/18
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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こんばんは、お久しぶりです。
哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。

(ここでいう会計とは
企業会計のことを指します)

会計と哲学というと、
どうも結びつきが薄いと思う人が
多いのではないでしょうか。

かくいうぼくも
会計と哲学とは
遠い存在にあると思っていました

ですが、
意外と近い存在なのではないかと
最近思うようになりました。

なぜか。
会計はその企業が
利害が関係するすべての人に対して
金銭的な報告を行うことです。

あなたの会計のイメージはどのようなものですか。
複式簿記で借方と貸方とに分けて処理を行うもの、
バランスシートや損益計算書という
細かい数字が載ったもの。
別にこれらのイメージはすべて
間違っているわけではありません。
複式簿記は言ってみれば会計の途中処理に必要なもの、
貸借対照表(バランスシート)や損益計算書は
財務諸表と呼ばれる会計の成果物の一つ。

でも会計って、
簿記で処理することが目的ではなく、
はたまた財務諸表を作成するだけが
目的ではないのです。

では会計の目的とは何でしょうか。
簡単に言えば、
将来その企業の株を買おうと思っている人(潜在投資者)、
その企業の株をすでにもっている人(投資者)、
その企業にお金を貸している銀行など(債権者)、
その企業の経営者や従業員、
あるいは取引先、
あとは国や税務署、地方公共団体など
そうした人たちに事業の成果という
有用な金銭的情報を提供する
これが会計の目的です。

投資者は財務諸表で示された事業の成果を見て、
その企業の株式を手放すべきか
手に入れるべきか、そのまま投資すべきかを
決定します。
債権者は財務諸表を見てその企業が
ちゃんと元利の返済をできるか
確認します。
経営者や従業員、取引先は
財務諸表を見て、その企業の事業がちゃんと
回っているかを確認します。

もちろん会計情報は上場企業じゃないと、
みんなが見ることができるものではありません。
だから、中小企業の場合、
会計は軽視されがちなのですが、
実際は経営者や従業員がどう動きを
改めたら良いのか、改善点を導きだすのに
とても役に立つことがあります。

実はこれ、
金銭的評価という数字を媒介にしてはいるものの、
財務諸表をはじめ会計すべてが、
非常に実践的なコミュニケーションツールとなっている
と言ってもいいのですね。

粉飾決算や逆粉飾決算と呼ばれることも
含めて、会計はその企業がどう経営しているのかを
如実に示しています

だからこそ、会計倫理が成り立つのですね。
会計は企業の実態を映す鏡であるという言い方が
よくされます。
利益を水増ししたりする会社は
投資者や債権者、従業員、国などに対して
嘘を言っているわけですから、
いいイメージは持てませんよね。

とにかく、
会計の目的にはコミュニケーションがある
ということです。
とくに、その企業が関係する人との
信頼関係を築くツールであると言っていいでしょう。
会計では言語化された情報がメインではありませんが、
関係者とのコミュニケーションや信頼関係といった点では
哲学もそんなに遠くないかなと最近思うのです。

企業が存在する意義ってなんでしょうか。
利益を出し続けることでしょうか。
それももちろん、大事なことではあります。
でも最も大きい意義は、
事業を通して社会に役立つことをなす
ということではないでしょうか。

投資者はその企業のビジョンやミッション、
社会的価値を見て長期成長する企業を
買うのではないでしょうか。

実はぼく、
あんまり言ってなかったのですが、
会計の勉強をやっていた時期があります。

日商簿記1級や税理士財務諸表論などを持っており、
会計のことは人より詳しいのです。
哲学エヴァンジェリストが伝える
実践に役立つ会計情報や
会計の捉え方なども
発信していく予定ですので、
楽しみにしておいてくださいませ。


 

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