人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ ヘーゲル p139 |『自由からの逃走』13

2022/08/08
 
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19世紀初頭を代表するドイツの哲学者。主著は『精神現象学』『法の哲学』などです。ドイツ観念論(ドイツ古典哲学)の代表的論者として知られ、論理学、自然哲学、精神哲学の三部門からなる哲学体系を説きました。特にヘーゲル由来のもので知られる今でも大きな概念は「弁証法」です。世界史は世界の実存である絶対精神の弁証法的発展過程である、というヘーゲルが考えた事実をまずは押さえましょう。

ヘーゲルの弁証法は思考の重要なきっかけとして、抽象的な認識を思弁的かつ具体的な認識へと高めるための否定的な理性の働きをさします。テーゼがあって、それに反対するアンチテーゼがあって、その二つの解決方法を踏まえてジンテーゼが生まれる、というのがこの弁証法の特徴です。さらにいえば、弁証法の発展は直線発展ではなくて、螺旋階段を上がるように螺旋状にぐるぐる回って発展していくんだ、というようなこともヘーゲルはいっています。

いわば人間と社会の成長がある、ということを初めて哲学上で言ったのがヘーゲルだとおさえておけばよいです。人間としての成長は宗教の時代から説かれていましたが、結局社会や社会構成員としての人間が矛盾を解決することで善い環境を作って、社会がさらに発展していくという素朴な社会発展モデルはヘーゲルに由来すると考えてもらって大丈夫です。



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