フロム『自由からの逃走』を読むための用語解説/ 精神分析に影響を受けた人類学←精神分析的概念の人類学 p30 |『自由からの逃走』6
フロムが精神分析を社会心理学に応用しようとしたように、文化や社会に無意識の考え方を採用してこの分析を行おうとする文化人類学が20世紀前半のアメリカを中心に流行しました。
北米の先住民文化にはアポロ型、ディオニソス型、パラノイア型という三つのパターンがあるという研究『文化のパターン(邦題:文化の諸様式)』や日本文化の研究『菊と刀』を書いたルース・ベネディクト、サモア文化のフィールドワークに基づいた研究『サモアの思春期』を発表し後進の教育にも力を注いだマーガレット・ミード、使用する言語によって人間の思考の枠が決まっているという言語観を発表したエドワード・サピアなどが代表的論者としています。