文化資本|社会学の用語解説
2021/08/28
どうもこんばんは、高橋聡です。寒さも和らぎました。これから寒くなりすぎずにぽかぽか過ごしやすい日が続いてくれるとありがたいなと思います。もっとも、まだ2月なので寒くもなるでしょうが、それもそれで良い日だと言えるような心構えで余裕を持っていきたいですね。
前回の記事|界
前回の記事は界について考えております。ブルデューによれば趣味に詳しくなるとは、さまざまな界における象徴闘争を制するためにわれわれは行動しているのでした。前回の記事のリンクを下に貼っておきます。まだ読んでいない方、ブルデュー社会学に興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
文化資本とは何か
ブルデューによれば、行為者が身につけた文化は資本として機能すると言います。そして文化資本という概念を作り出しました。ブルデュー社会学では、資本には三つの種類があります。経済資本、社会関係資本、文化資本です。経済資本とはお金やキャッシュを創出する文字通りの資本を意味します。社会関係資本とは、人脈などの人と人とが相互に関係しあって形成される資本を言います。そして文化資本があります。文化資本とはハビトゥスによって身についた文化そのものが資本であるという概念なのです。資本の定義
では資本とは何か。資本とは、投資され、増殖され、蓄積されるものです。その資本を所有する人たちに利得をもたらすものでもあります。音楽を聴くこと、絵を描いたり、所有したりすること、映画を見ることなどは全て資本の一種だとブルデューは言います。文化資本の性格
文化資本とは、資本という側面からみた性向である、とも言えます。文化資本には個々の具体的な学歴、界において資本として機能する身体技法、行為、評価の傾向性のことをさします。美的性向という文化資本
美的性向は文化資本の一種である、とブルデューは言います。そして美的性向は生まれながら備わるようなものではなくて、歴史的、階級的に身につけることになるのです。そして美的性向は内容や実用性ではなく、形式だけを受容する能力であるとブルデューは指摘します。絵画でいえばテーマや対象ではなくて、描き方や見せ方のことなのです。そして必要性から距離を取ることが美的性向を作り出します。
以上、今回は文化資本についてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋 聡記す