文化的再生産論|社会学の用語解説
2021/02/06
どうもこんばんは、高橋 聡です。本日は在宅でした。久々に寒さを感じた日でしたが、それもよしという感じで過ごすことができました。仕事も忙しすぎず、暇すぎずで適度な量をこなしている感じです。今思えばとても良い職場にいることを実感します。感謝しかありませんね。
前回の記事|文化資本
さて前回は文化資本について考えました。文化資本とは、経済資本に変換することもできる資本の一形態で、特に文化的な物事に関わるものです。以下に前回のリンクを貼っておきます。まだ読んでいない方はぜひ読んでみてくださいね。
文化的再生産論
文化的再生産論とは、出身階級に傾向づけられる性向が階層を再生産するという見方のことです。教育社会学でよく論じられるテーマです。文化資本は得やすい環境にある人ほど多く所有し、所有のために努力できることを身につけた人ほど、苦もなく文化資本を所有することができます。こうした態度や性向は、その人の人生の軌道を有利に導きます。
学歴とはある種の投資です。机に向かって参考書を開いて勉強をする。そうすることで学歴というリターンを得ることができます。さらに勉強をできる人はどのくらいのリターンを得ることができるかを概ね予測することができます。そうして学歴の高い親から生まれた子の学歴もまた高くなる傾向が見られるようになります。
学校の機能
一般に学校教育には階級をシャッフルして平等を促進する効果があると考えられています。ところがいくつかの教育社会学的研究によれば、学校には真逆の効果があります。学校で勉強することを良いこととする態度や性向が就学以前に獲得される文化資本なので、その資本が多いか少ないかで学校の序列が決まり、社会での地位も再生産されてしまうのです。文化的再生産論が投げかける問題の核心は、ずばり学校の社会的機能を問い直すことです。選別と格差の維持が学校の機能だとすれば、格差を認めることになってしまうでしょう。だからこそ、学校の本来の役割について議論すべきなのです。
以上、今回は文化的再生産論について考えてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋 聡記す