界|社会学の用語解説
2021/02/03
どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日は在宅勤務でございました。在宅勤務、もっともっと頑張れるはず、気合入れていこうと思いました。それはともかく、本日は節分でした。恵方巻き少しだけいただいて、感謝の念を今年の方角に向けて祈っておきました。
前回の記事|ハビトゥス
今回の記事もブルデュー社会学の用語解説となりますが、前回はハビトゥスという概念についてみていきました。以下のリンクから飛べます。まだお読み出ない方、ブルデューの基礎用語など知りたい方はぜひ読んでみてくださいませ。
さて、今回の解説は界という概念になります。早速みていきましょう。
界とは何か
同じ空間の中で、各人がお互いの資本やハビトゥスを武器として何らかのゲームに参加している。そういう状況を思い描いた時、最初の空間のことをブルデューは界と呼びます。芸術、学問、スポーツ、政治などのように、この社会にはたくさんの界があります。それぞれの界が近くの界と微妙に重なり合うことはあっても、界自体は相対的に自律的な領域です。それぞれの界の中には、独自のゲーム、独自の掛け金、独自の判定基準があります。
利益を求める象徴闘争
ブルデューによると人々のあらゆる行為には闘争が伴います。闘争を行うのは色々な意味での利益を得るためだ、とブルデューは言うのです。音楽の演奏や映画の鑑賞でもそれは同じだとブルデューは指摘します。
われわれは自分自身がもっているハビトゥスや価値観、自分のポジションの価値を押し上げるために、趣味を通じて価値観の押し付け合戦を行います。この趣味を通じての押し付け合戦のことをブルデューは特に象徴闘争という言葉で言い表します。
ところで何かを良いと思うことは必ず他の何かを否定しています。趣味の良し悪しの判断は、自分の生き方そのものが関わっています。その趣味の優劣をつける象徴闘争が繰り広げられる場こそが、ブルデューのいう界なのです。
界における賭け金をめぐって、人々は自分自身の実存をかけています。
以上、今回は界という概念についてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋聡しるす