人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

過去の投稿シリーズ:石川文康『カント入門』 第一章メモ

 
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こんばんは!
草の根平和推進者 平高橋聡です。
過去の投稿シリーズです。

2011年04月10日20:09 mixi
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カントの哲学―理性批判 あるいは 批判哲学 
ここでいう批判とは、法廷で真偽を追求するために行われるものを想像したほうがいい。 
何の批判か? 
最高決定機関である理性の欺瞞性、および理性が作り出す仮象についての批判(一貫した仮象批判)。 

カント哲学の出発点は? 

アンチノミー論。
4つのアンチノミー。


例えばX先生がA君に対して「B君は信頼できないやつだから用心しろ」といい、
B君に対して「A君は信頼できないやつだから用心しろ」と言ったとする。
X先生は二枚舌を使っていたのである。
その両方が明るみに出たとき、A君とB君はけんかをするであろうが、
やがて2人はX先生が言ったことがおかしいことに気付き、
X先生のアイデンティティー自体を疑うであろう。

このX先生を理性に変えると、アンチノミーの問題点が見えてくる。
いわば理性の二枚舌をカントは批判しようというのだ。 

第一アンチノミーは時間と空間に関するテーゼとアンチテーゼから来るものである。
テーゼはアンチテーゼを、アンチテーゼはテーゼを偽とみなすため、
世界それ自体は存在しないことになってしまう。 
カントはヒュームを「仮象批判の先駆者」と見なした。
ヒュームの因果律批判こそが、カントの独断のまどろみを目覚めさせ、理性批判への道を用意した。

カント入門 (ちくま新書)
石川 文康
筑摩書房
1995-05

 

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