オリエンタリズム
サイードの『オリエンタリズム』読書中。
イスラエル・エジプトで育ち、アメリカのアカデミズムで活動した
エドワード・サイードの現代思想界を転回させた著作。
何度か読んでいますが、読むたびに気づきが得られます。
まだはじめのほうですが、サイードはフーコーの権力論に
刺激を受けつつ、オリエントとオリエンタリズムの研究をはじめたのです。
//オリエントはヨーロッパの対話者ではなく、
そのもの言わぬ他者であった。//
オクシデント(西洋)はオリエント(東洋)のことを
学術的にも、政治的にも常にもの言わぬ他者として
西洋側の都合の良いようにイメージを形作ったのです。
『オリエンタリズム』の上下巻は、このオクシデントが
オリエントをいかに扱い、差異化し、自分が有利になるように
仕向けたか、綿密なテキスト批判を行いつつ明らかにします。
今もこの状況は完全に解消されたわけではありません。
現代社会分析の一つの有効なものなんで、
一読の価値のある書物です。
ぜひ読んでみてください。
草の根平和推進者 平高橋聡