人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

真理は自分が望むことで真理となる

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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こんばんは!
哲学エヴァンジェリスト 高橋聡です。

さて、昨日は「風向きを調べる」ことについて考えましたね。
事前の下準備、下調べの大事さをあなたも認識できて、
それが心の余裕につながることも理解できました!

今日考えることは、「真理は欲さないと、真理とならない」ということです。
ちょっと言葉だけ見ると難しいですが、
引用文を見ていって、考えていきましょうね。
早速読んでみましょう。
パスカル『パンセ』864
//
真理は今の時代には漠然としており、
虚偽は確立しているので、
人は真理を愛さない限り、
それを知ることはできないであろう。
//
フランスの哲学者パスカルの言葉です。
真理というのは、自分で真理を愛し、
その通りに行動しないと知ることはできないと言っています。




真理というとどうしても宗教的なニュアンスが付きまといます。
でもぼくがメッセージとして取り出すことは、
そういう宗教的なニュアンスを打ち消して、取り出していきます。
あなたにとって価値のあるメッセージを掲示しますね。
真理、正しいことというものは、
自分がその真理や正しいことを確固たる自信で
言葉と行動で求めることで、初めて真理とか正しいことになるのです。
あなたは自分が正しいと思うことは、
そういうことに基づいてちゃんと説明し、
行動してきましたか?
それができなければ、
真理ではなく虚偽となってしまいます。
これを意識することで、
本当に正しいことは作り出すことができるのです。
あなたが社会的な常識などにとらわれすぎて行動しすぎると、
おかしいと思うことでもそれがおかしいまま、
改善できずに終わってしまいます。
では、次に自分が主体的に動かないと、
やはり真理や正しいことも自分にはできないことになってしまいます。
そのことについて、
ドイツの哲学者ニーチェの言葉を借りて、
メッセージを取り出してみましょう。
では、早速読んでみてくださいね
ニーチェ「ツァラトゥストラ」
//
過去に存在したものたちを救済し、
いっさいの「そうであった」を
「わたしはそう欲した」に創り変えること。
これこそはじめて救済の名に値する。
意志、それが解放し、喜びをもたらすものの名前だ。
//
普通は、過去の出来事や存在した人たち・モノの全てが
ただ事実として「そうあった」と思っています。
あなたもそうではありませんか?
そうではなく、
過去の全ての事柄を「わたしはそうなってほしい」と
解釈をし直して、捉え直すこと。
これが救済の名に値すると言っていきます。
救済とは、自分・他人ほか全てを救い出すことです。
ちょっと観念的すぎてわからないかもしれません。
具体例を出して考えてみましょう。
例えば第二次世界大戦という出来事について、
出来事としては、
人がたくさん死んだ悲しい出来事として記憶されています。
そして戦勝国側が戦後の体制を作り、
冷戦のきっかけとなったことも記憶されています。
でも、ここから一歩踏み込んで、
「そうなってほしい」と欲したと考えるのです。
どういうことでしょう。
難しく考える必要はありません。
第二次世界大戦を起こしてまで、
人類が「平和」について考えるきっかけを作ってくれた。
そして人類は「平和」を求めるための第一歩を踏み出したのだ。
そう解釈しなおすのです。
ヒロシマやナガサキで原爆が投下されたことすら、
完全に許される行為とはいいがたいでしょうが、
平和のきっかけとして記憶すべきものです。
実際、人類は1945年の夏以降、
人々を殺すために核兵器を使っていない現状があります。
そこから踏み込んで、核の対人利用をなくすにはどうしたらいいか、
徹底的に考えるきっかけを与えてくれています。
2016年のサミットに合わせて、オバマ大統領が広島に訪問し、
慰霊碑に手を合わせ、世界の平和を願ったのは誠に記憶に新しいことです。
戦後70年を経て、我々は平和の道がどういうものであるかを考えるきっかけを
いろいろな所から得ることができています。
ニーチェの視点とはこういうことなのです。
マイナスと捉えられていることを、
プラスに変換して解釈しなおすこと。
そして、そうできることで、さらに心の余裕が生まれ、
あなたは自由に暮らせるようになるでしょう。
以上、哲学エヴァンジェリスト高橋聡でした。
いろんなきっかけが周りには溢れているので、ポジティブに解釈してみましょう。


パンセ (中公文庫)
パスカル
中央公論新社
1973-12-10


ツァラトゥストラ (中公文庫)
ニーチェ
中央公論新社
1973-06-10

 

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