人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

崇高と美 ニーチェ・ツァラトゥストラより

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。
今回は崇高と美についての
ニーチェのことばから考えましょう。
//
威力がものやわらかになって、
可視の世界へ降りてくるとき、
そういう下降をわたしは美と呼ぶ。
 
 
そしてわたしは、力強い者よ、
だれにもまして、君からこそ、
美を期待するのだ。
やさしい心を獲得することが、
君の最後の自己克服であるように!
//ニーチェ『ツァラトゥストラ』世界の名著版
 
 
崇高な生き方をしている人はまだ美ではない。
つまり困難を乗り越え、力強く生きている人は
崇高だとはいえます。
 
 
最初の文章の意味は、
「強者が高く構えて、
弱者や他の人を眼中におかないのではなく、
だれにでもわかる態度で接することは、
より高次な美と呼ぶことができる」
ということです。
 
 
強者は弱者に合わせることが、
弱さだと思っている節があります。
でも、真の強者は弱者に合わせ、
美を伴った力強い行動を行うことができる
ということです。
 
 
やさしい心、
ニーチェはこういうのを嫌っている
とイメージしているあなた。

実際は全然そんなこと言っていないんです。

腑抜けと真のやさしさは違うのだ!
ニーチェならこういうでしょう。
 
真のやさしさと腑抜けとを
混在して考えるな!
ということです。
 
 
あなたはどうですか?
崇高な生き方は
素晴らしいと思いますか?
 
でも、そこに足りないのは
美しさだ、とニーチェはいいます。
 
ほほえみが足りない人間は、
ただ崇高なだけで
真の高みにいるわけではないと
指摘します。
 
 
ぼくは自分が強者だと思ったことはないですが、
強者こそやさしさを持っている、
そう感じることがあります。
 
仮に自分が強者となったとき、
このやさしい心こそ
最後のあなたの自己克服だ!
というニーチェのアドバイスを
忘れないようにしたいですね。
 
強いからこそ、
やさしい心があれば
美しさをも手に入れることができます。
 
あなたはどう感じましたか?
気軽にメッセージをくださいね!


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Comment

  1. どう思われますか より:

    こんにちは。カテ違いで初歩的なコメントで申し訳ありませんが、(④を導く根拠に①②を用い、③は④を補強)、どのように思われますか。
    ① 『遺伝子DNAは誰が作ったのか』
     地球上の全ての生命に遺伝子DNAが組み込まれていますが、1mとか2mとかの長さがあり、4種の塩基配列は複雑精巧で、自己修復機能まで有します。
     こんなものが自然や偶然に出来るわけが有りません。作ったのは「遠い未来の人間」です。
    ② 『物質(原子)は誰が作ったのか』
     地球上の物質(原子)は百余り有りますが、陽子・中性子・電子の3者で構成され、それ以外の構成は存在しないし、規則性とか法則性に支配されています。
     中性子は中性子線を内包し、特定の物質(原子)もα線とかβ線などを放射して崩壊し、電子は電荷を内包しています。
     こんな複雑な物が自然や偶然で出来るわけが有りません。原子を作ったのは「遠い未来の人間」です。
     (uクォークとかdクォークとか中性子のβ崩壊で発生する陽子や電子ニュートリノなどの難しい話ではなく、単に『こんなもの(原子)が自然や偶然に出来上がるものか』ということを、お尋ねしております。)
    ③ 宇宙の始まりが無機であったとしても、進化の途上で有機(生命とか生活機能)が生まれ、さらに彼らが多様な進化を遂げたうえで、人間や様々なものが作り出された可能性は否定されるものでしょうか。
     (胎児の成長過程で一時的に見られる「尾っぽ」とか「指の水かき」は進化の記憶でしょうか。)
    ④ 『私たちは人工的に作られた肉体を使って、人工的に作られた「場」で生活をしていますが、実は、今の世界は実在しない虚構であり、実在する本当の自分は「DNAや原子を合成する科学を持った遠い未来」(真実の世界)にいます。』という発想は、(無限回の問答は抜きにして)、成り立つでしょうか。

  2. 1.さんへ より:

    ①~④まで見て感じたのは、
    思想史的にいえばグノーシス主義的発想かなと思いました。
    ④について成立の可能性はあると思います。
    ただし、その論法で行くと時間や空間(宇宙)ですら
    遠い未来の人間の発明の可能性はあると思います。

  3. 7回目の終了です(その3)  より:

    こんにちは。いつも興味深く拝見しております。
    世は、七度の大変りと知らしてあらう。(黄金の巻 第26帖)
    世はグルグルと七変り、改心の為 世界の民皆、今度は引上げ一旦みなあるぞ。(黄金の巻 第71帖)
    ★(追記)
     上記以外にも、シリウスファイルのオコットのメッセージ、ヒトラーの予言、エズラ黙示録、ヨハネの黙示録(外典)、マザーシプトンの予言、ビリーマイヤーの予言、その他の予言などにも類似性や関連性が認められます。
    どう思われますか。

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