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美徳型正義論の概要|サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む前に知っておくべきこと3


どうもこんばんは、高橋聡です。寒さが一層厳しくなってきました。風邪をひかぬように気を付けましょう。

前回は自由型正義論についてみていきました。いかにリンクを貼っておきますので、まだ見ていない方はこちらを見てください。

自由型正義論の概要|サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む前に知っておくべきこと2

さて、今回はサンデルの『これからの「正義」の話をしよう』(以下、『正義』)を読むにあたって、知っておいたほうがいい正義論のお話第三弾です。

その正義論とは、美徳型正義論です。

美徳型正義論とは簡単にいうと、人はそれぞれ美徳を持ち、それぞれが美徳を最大限発揮されることを最大の正義だとする考え方です。

目的論的倫理学と呼ばれるアリストテレスの倫理学がそのまま美徳型正義論とつながります。またアリストテレスのこの倫理学を別名、徳倫理学とも呼びます。

また、社会にとっての共通善を探るのがこの学派の特徴です。

代表的論者はアリストテレスやサンデルです。それではアリストテレスの古典的な美徳型正義論から見ていきましょう。

アリストテレスの正義論

正義は「目的論」により成立する

アリストテレスの正義論の特徴の一つ目は、まず目的論である、といえるでしょう。

アリストテレスの目的論とは、この世の存在すべてに何らかの目的がある、という考え方です。

正義とは個人の適性の問題

正義は個人の適性の問題だ、というのがアリストテレスの主張です。

つまり向いたことを伸ばせる社会こそが正義にかなう社会だ、とアリストテレスは行ったわけです。

適性のあるもっともふさわしいものを与えるのが社会的正義であって、これを重視すべきだ、というのが美徳型正義論の特徴です。

サンデルの限定された正義論




人間の行為に限定した目的論の展開

人の行為のみに目的論を限定して考えることを大事にしました。

共通善の思想

共通善はなにか。

簡単にいうと、正義のもとになるものです。社会やコミュニティにとって構成員が徳(卓越点)を発揮できる状態こそがベストで、共通点を増やすのも醍醐味かもしれません。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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