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おのれの徳を愛し、没落する愛すべき人間と末人

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。

どうも、哲学エバンジェリスト高橋 聡です。前回はツァラトゥストラの序説の超人について見てきました。まだ見ていない人はぜひ見てくださいね。

ニーチェは『ツァラトゥストラ』の序説のなかで、超人の次に愛すべき人間末人について語っています。今回はそれぞれの概念について見ていき、そこから得られる教訓を見ていきましょう。

愛すべき人間

ニーチェはツァラトゥストラが愛すべき人間について叙述していますが、基本的には超人の礎となるべき人のことを愛すべき人と呼んでいます。

ここで特に重要な概念は、没落することとです。

一つずつ見ていきましょう。

没落

愛すべき人間について、ニーチェは没落することを厭わない人間だと言っています。

没落とは、移行のことです。没落について詳しく言えば、高みから下へ降りてきて、超人のために行動するということです。

高い立場にいる人が、その立場を捨て、低い立場の人たちと一緒に何かするということは、思ったより簡単なことではないかもしれません。でも、そういった没落を厭わずに喜び進んで行う人が愛すべき人間だ、とニーチェ=ツァラトゥストラは言うのです。

ここから得られる教訓は次の通りです。

あなたは人より高いところにいても、下に降りていって、その下にいる人たちを引き上げられるように努めようということです。

では、次は徳について見ていきましょう。

一つの徳

ニーチェ=ツァラトゥストラはおのれの徳を愛する人間を愛する、といっています。

ここでいう徳とはどういう意味でしょうか。

徳とは、自分が得意とすること、才能、秀でていること、富といったような意味です。

ひたすら相手のことを思い、見返りを求めずに相手のために徳を発揮することで、超人への橋を渡るとニーチェ=ツァラトゥストラは言います。

さらに、自分の徳を宿命として、徳のために生きて死ぬ人は、ツァラトゥストラの愛すべき人だと強調します。

二つ以上の徳より一つの徳を大事にする人のことが、ニーチェ=ツァラトゥストラはさらに大事にすべきだということです。

ここから得られる教訓は次の通りです。

あなたはあなた自身の徳を見つけ、そしてその徳を惜しみなく他の人に発揮し、与える続けようということです。

ツァラトゥストラの愛すべき人間は、没落し、徳を持っているのです。

では、次に末人(おしまいの人)についてみていきましょう。

末人(おしまいの人)

末人とは、おしまいの人ということ。近代福祉国家が育て上げた人間たちの揶揄を含んでいます。

さて、末人の特徴とはなんでしょうか。簡単に列挙しましょう。

  1. 新しい可能性、希望を生み出せない非生産的な人
  2. 健康で第一で、不信の念を抱こうとしない人
  3. 労働は慰めであって、健康を損ねない程度に働こうとする人
  4. 貧しくも富んでもいない人
  5. 畜群(家畜の群れ)であり、平等を強く求める人

こういう末人にはなるな、超人になれということがニーチェのメッセージです。

教訓は簡単。あなたは末人になってはいけない、ということです。

ところで、ここでこうした重要な概念について学んだ後、何をすべきでしょうか。

まずは『ツァラトゥストラ』を読んでみることをお勧めします。哲学とは結局、自分で考えることに他ならないのですから、自分で翻訳なり原著なりを読んで考えるしかありません。

読書案内

『ツァラトゥストラはこう言った(上下巻)』

『ツァラトゥストラはこう言った(上)』(岩波文庫)

『ツァラトゥストラはこう言った(下)』(岩波文庫)

ぼくが感じた最も読みやすい『ツァラトゥストラ』の翻訳。ぜひ読んでみましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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