”座右の銘”はなぜ左ではなく、右なのか1
2021/05/13
どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日はとてもとても寒かったですね。びっくりしました。この寒さがまたやってくると思うとぞっとします。在宅勤務で外に出なくても、寒さがわかるそんな一日でございました。部屋にエアコンも暖房器具もおいていませんので、まずはそこから整えないといけませんね。
前回の記事|和泉市の槇尾山
さて前回の記事の説明をしましょう。前回は地元が好きということで、和泉市の槇尾山を少し紹介することにしました。とても山奥にありますが、いい場所などであなたもぜひいってみてくださいねー。
座右の銘はなんで右?
Facebookで同じオンラインサロンに所属する友達の方がいらっしゃるんですが、その方の次男君が座右の銘の右ってなんで右なの?と疑問を持ったようです。漢字や熟語の原義が大好きな私は早速解き明かすために電子辞書を片手に手がかりを探し出しました。その前に直感で佑という字が浮かんだので、何か関係があるのかもしれないと思い、コメントに残しておきました。右は佑を連想させる|右を含む漢字から類推する
右はそもそも右手の形をもとにあみ出された象形文字でございます。ぼくが真っ先に思い浮かんだのは佑(ゆう)という漢字です。佑とは「助ける」という意味です。もともとは右という字に助けるという意味がありましたが、みぎという意味で右の字が占有されるようになったから、佑という字が作られたらしいです。座右の銘というと、その人を心から助けるような言葉っていうイメージがあったので真っ先に思い浮かんだのです。そういう直感って当たっているにしろ外れているにせよ、意外と大事なんですね。直感的に把握した事柄から比較したり深掘りしていくと、見えてくることがあるからです。直感的に思う浮かんだ右=佑を頭の片隅に置きつつ、右の意味を調べていきます。座右の意味を調べる
じゃあ、ということで座右の意味を調べてみます。広辞苑では
座席の右。転じて、かたわら。そば。(広辞苑)
とあります。当たり前なんですが、座右は座席の右側だからそば。
ここに疑問をぼくは呈したわけです。漢字文化圏では、漢字の書き方的に右利きの人間が多いと聞いたことがあります。だから座席の右側に置くものが、利き手に近いから、大事なものとかよく使うものを置くのだと類推することができます。左右で右のほうが近くて左が遠いというと、この理由が割と合理的なのではないでしょうか。
つまり座右の銘とは、座ったときに利き手ですぐに手に持てるほど大事にしている言葉という意味だと考えることができるわけです。
ロベール・エルツの『右手の優越』
ところが左利きの方が比較的多い西洋圏においても、右手や右利きが上位に置かれることが多いことを考察した社会学/人類学の著作がロベール・エルツの『右手の優越』(ちくま学芸文庫)です。エルツはnoteでも少し紹介したことのあるフランス社会学の祖エミール・デュルケームの弟子です。エルツは”右手と左手ほど似ているものはないけれども、その扱いには不平等が存在する”という趣旨の発言をして、右手で神聖なもの、左手が俗なものを象徴するのはなぜかを探求しようとしました。
ここでわかることは全世界的に右が左より神聖なもの、尊いものだと扱われているということです。そういう事実が存在することを知るのがまずは大事ですね。
英語のright
英語で右を意味するrightは正しいこと、権利、法を意味する言葉です。これなど露骨に右の優越性を示す例ですね。なぜこういうことを調べているかというと、全人類的に右を優越するから、座右の銘が右である理由かもしれないからです。
とりあえず康煕字典などを使って調べたことも書こうと思いましたが、時間がきたのでここまでです。次回に続きを書くことになると思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たかはしさとししるす