人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ニーチェとの対峙3|ルサンチマン

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。寒波がまたやってくるようですね。今日は土曜日なので会社は休みで、兄の家で甥っ子2人を囲んで遅めのクリスマスパーティをしました。変形型おもちゃをあげたのですが、甥っ子たちはかなり喜んでいたので良かったです。パーティなので食事もおいしかったです。こういうみんなが幸せを確認できる場って案外大事なのかもしれませんね。今日はそういったことを思いながらパーティに参加していました。

さて少し前回の記事についてみていきましょうか。


前回の記事|ニーチェとの対峙2

前回はニヒリズムについてとりあげました。ニヒリズムっていうと、虚無主義と訳されるように、人生や世界に意味なんて何もないんだ、だからただむなしいだけだ、という考え方のことです。人生100年時代に生きていてそう思わない瞬間がある人のほうが少ないのではないでしょうか?



ニーチェはこのニヒリズムは2種類に分けて考察していきます。そしてニヒリズムの貫徹を説くのです。それはポジティブなニヒリズム、楽観的ニヒリズムというべきものであり、前向きに生きるのに役立つ考え方なのです。詳しくは記事をみてくださいね。


ルサンチマン

さて今日はニーチェの重要概念ルサンチマンについて考えましょう。ルサンチマンについてニーチェが本格的に言及するのは『道徳の系譜学』という著作です。

簡単に言うと、ルサンチマンとは恨み、嫉妬、羨望といった感情のことです。正確に言うと、ニーチェのルサンチマンは恨みや嫉妬のような感情がつもりに積もって心にたまっている状態のことです。ニーチェによれば、奴隷道徳は弱者が強者について抱くルサンチマンの産物です。つまり無力な弱者が力をもって事をなすことができる強者を心の中で悪者にしたてて、その逆に弱い自分たちこそ善人だと考えたのです。

古代ローマでは強い=善人、弱い=悪人という価値観がありましたが、その価値をまさに奴隷道徳は反転してしまったのです。そのきっかけとなる感情がルサンチマンなのです。

ルサンチマンはこのような精神的復讐のきっかけとなります。そしてニーチェはルサンチマンのような感情をとくに嫌います。

ぼくがルサンチマンについて思うに、ルサンチマンという感情それ自体は否定できないし、すべきではないと思います。ただやはり価値観の転倒のようなものは不健康な見方だとも思うし、ぼくはできればしたくありません。

要はルサンチマンという感情の発散方法がよくないのです。ルサンチマンの状態になっても、 何もしないと本当にそういう精神的復讐の形でしか対処できなくなります。そうではなく、本当に弱者が強者に物言える社会であれば、そういったことは少しでもなくなるし、社会的なあり方としても良いものだと思うのです。

だからぼくは次のようにしたいと思います。ルサンチマンのような状態にならないように、心がける。具体的にいえば、はっきりと物を言う、言いにくいことはメールで伝える、モヤモヤした感情ばかりを抱えない、自分の好きなことをする、カラオケにいく、などです。

以上、ルサンチマンについてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

たかはしさとししるす

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