人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ニーチェとの対峙2|ニヒリズム

2021/05/13
 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。本日はクリスマス25日です。御堂筋も仕事の人以外はあまりいない感じでした。今日は仕事帰りにすこし贅沢をすることにしました。いつも帰りは地下鉄で帰るのですが、今日は難波から南海電車の有料特急に乗って帰ることとしました。難波から泉北高速鉄道和泉中央駅まで通常の料金+特急券500円というちょっとだけ贅沢をしています。まさに今この記事を執筆しはじめたのはその泉北ライナーという特急に乗っている間です。やっぱり関西地区でも一番の輸送量かつ混雑率を誇る大阪メトロの御堂筋線だとこうして記事を書くくらいの余裕はありませんので、少し贅沢な気分かつ余裕を持って帰宅することができております。
あなたは通勤時間は何分くらいかかりますか?ぼくは片道2時間くらいですね。関西にお勤めの方ならこれはだいぶ長い部類に入ると思います。京都駅から大阪駅までで新快速で30分程度、三宮駅から大阪駅まで25分程度、和歌山駅から大阪駅でも一時間程度なのです。なぜ片道2時間もかかるのか。それは、バスに乗る時間が長く(30分程度)、バスの本数もそんな多くないから待ち時間が発生することがあるのですよ、特に帰りは待ち時間が発生しやすいのですね。

だから有料特急で必ず座って帰れるって考えてみればだいぶ至福なひとときでございます。あなたもたまに自分へのご褒美で有料特急にのってみましょう。新たな気づきがあるかもしれません。

それはともかく、そろそろ本題に入りましょう。とそのまえに、この記事の前回に当たる記事をおさらいしておきましょう。それはともかく、そろそろ本題に入りましょう。とそのまえに、この記事の前回に当たる記事をおさらいしておきましょう。


真剣にニーチェを語る前回の記事

前回語ったのは結構前でしたね。もうこんなに経つとは思いませんでした。前回は11月30日ですね。


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前回はニーチェの主著『ツァラトゥストラ』から超人と永劫回帰について見てきました。超人のメッセージを受け止め、それを自分なりに消化し、生き方に活かすという対話的読み方が必要になりますね。簡単ではありませんが、すべての本あるいは思想は自分が生きるのに少しでも役立つことでより多くの人に認知されていくでしょう。


ニヒリズム

今日はニヒリズムという言葉からみてまいりましょう。ニーチェは簡単にいえば、西欧世界はニヒリズムに進むしかないのだ、といいました。これは一見するとネガティブなイメージがあるかもしれません。っと、その前にニヒリズムとはどういう意味か考えておきましょう。
ニヒリズムとは、ニヒル、虚無ということばのラテン語をもとにつくられた言葉です。虚無主義と訳されることがあるように、ふつうは人生に嫌気がさして逃げたいような感情を指します。この事実だけみると、本当にネガティブにみえますよね。

ニーチェはしかし、ネガティブに見えるニヒリズムが進展するのは時代の流れで仕方がないんだ、というわけです。そしてニヒリズムを徹底した徹底的ニヒリズム、あるいは積極的ニヒリズムを貫徹せよ、というんですね。ニヒリズムとは自分にはなにもない、自分は価値がないと思う思想です。これを進めるとはどういうことなのでしょう。

自分にも世界にも価値も意味もない、ということはネガティブにとらえれば本当に苦しい、生きる意味を失うような考え方に思えます。事実、中途半端なニヒリズムを甘受しているうちはそのようなネガティブなニヒリズムにとどまらざるをえません。ネガティブなニヒリズムを受動的ニヒリズムとニーチェは呼びます。


name="RLCyy">でもその受動的ニヒリズムをずっと経験したニーチェは、能動的ニヒリズム、あるいは積極的ニヒリズムという立場を発見します。簡単にいうと、世界と人生に本来の意味がないということは、自分の力次第で自分の人生の意味を決めていけるということなんだ、と発想を転換するわけです。ポジティブにニヒリズムをとらえてみる。すると、無意味性はむしろいいことだったことがわかるのです。

この境地は仏教の空理論と似ています。全く同じものではないですが、かなり近い論理です。

人生にしろ、世界にしろ、あらゆるものが無意味っていうことは、色付けしている主体的な自分が活躍する場しかないということなのです。受動的ニヒリズムが否定的で消極的、受け身で悲観的なのに対して、積極的ニヒリズムは能動的、肯定的で主体的なんです。環境や世界の現状に嘆くだけの受動的ニヒリズムに対して、人間の可能性を見つけて自分がすべてを選択して生きるという積極的ニヒリズムの違いがおわかりでしょうか。

かくして、最強のニヒリズムをニーチェは発見したんです。この事実はとても興味深いものです。

人生には意味がないかもしれないが、本当にそれを決めるのは究極的にはあなただ。

以上、ニーチェの二つのニヒリズムについて見てきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

たかはしさとししるす



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