人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ドイツ観念論の哲学3 ヘーゲル2

2021/05/13
 
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前回の記事

さて、前回はヘーゲル1ということで、近代哲学の、そしてドイツ観念論の大成者として知られるヘーゲルの生涯を見てきました。以下がリンクとなっております。じっくり読んでくださいね。



まだ読んでいない方は必読です。ヘーゲルも用語が結構多いので、今回と次回の二回に分けてヘーゲルの用語についてみていきます。


本日の用語

ヘーゲルの中心概念である弁証法、止揚(アウフヘーベン)、精神、絶対精神、世界精神についてみていきたいと思います。

ヘーゲルって哲学書はすごく読みづらいんですが、概念はそんなめちゃくちゃ難しくないです。だから、カントに比べればだいぶわかりやすいと個人的には思います。それでは用語解説に入ってまいりましょう。


弁証法

name="646Uo">ヘーゲルによると、弁証法とはすべてのものが矛盾や対立を契機として、変化・発展していく理性的な運動の論理であるといいます。すべてのものはある立場を肯定され(正/テーゼ/即自)、それを否定する真反対の立場(反/アンチテーゼ/対自)があらわれ、両者の矛盾や太乙を統一する解決策の次元(合/ジンテーゼ/即自かつ対自)へと使用されて発展する、とヘーゲルは指摘します。弁証法とは、すべてのものが正・反・合の過程を経て進歩する概念の運動の論理であるとともに、認識する理性が歩む道筋、つまり精神の歴史でもあります。

ヘーゲルによれば、カントの悟性は個々の固定的な見方にとらわれてしまい対立を克服できる能力ではない、といいます。そして理性が対立する個々のものを弁証法的に統一する能力だと考えられていて、理性は全体的な心理を認識する能力でもあります。


止揚/アウフヘーベン

止揚、もしくはアウフヘーベンとはヘーゲルの弁証法の用語です。2つの矛盾する立場を総合的に統一することをさします。ドイツ語のアウフヘーベンには否定する、保存する、高めるという3つの意味があります。つまりアウフヘーベンとは正命題と反命題の対立点を否定し、両者の内容を保存しながら、より高い次元である合命題へと高める働きを意味するのです。


精神

name="lgs10">ヘーゲルにおける精神とは、歴史的・社会的な世界の中で自己を展開していく普遍的なものをさします。ヘーゲルは観念論の大成者ですから、すべてのもの根底を固定的で不同な客体的な実体(物質)ではなく、自由を本質とする主体的な精神でらうと考えました。精神は現実世界でみずからを実現する理念であるとヘーゲルは言います。精神とはまた、自己を知って自己のもとに自覚的にとどまり、自由を実現する運動でもあります。精神の発展とはすなわち自由の発展の歴史であり、個人の意識から民族や国家の中での自己、さらに完全に自由な絶対精神へと高まるのです。

絶対精神

絶対精神とはヘーゲル哲学の最高の原理で、絶対者とも呼ばれます。自由を本質とする精神は、自然へと自己を外化して(自己外化/精神の外化)、いったん自己と離れたものとなりますが、自由とは他者の下でも自己自身のもとにあるので、精神は自然の中に自らの現れである理性的なものを見出します。そして、現実が理性的なものであることを自覚して、対立した自然から自己へと帰ります。

絶対精神はまず個人の主観的精神として現れ、次に客観的な社会関係としての客観的精神となって現れます。最後に主観的精神と客観的精神を統一する絶対精神となって自己へと帰るのです。


世界精神

世界精神とは、世界史の中で自己を展開する歴史の主体となる精神のことをさします。世界理性とも呼ばれます。世界精神はその時代の支配的な民族の精神に現われるといいます。世界精神は、歴史の中で活躍する個人の衝動や情熱を利用して、その個人を自由を実現する道具として操って自己を展開させるのだ、とヘーゲルは言います。このような世界精神のたくらみを理性の狡知と呼びます。

以上、ヘーゲルの用語についてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


name="AhLAn">たかはしさとししるす

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