人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

フロー|心理学の用語解説

 
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どうもこんばんは、高橋聡です。今日は在宅勤務でした。在宅には在宅のよさが、オフィスにはオフィスの良さがありますね。どちらにせよ、わからないことを学ぶ気持ちを大事にして、成長していきたいところです。ITやPCのことを仕事にはしているぼくですが、ほんとうに自分が触れたことのある問題しかわからないので、学び続ける必要がありますね。あなたは仕事以外の時間に仕事のことについて考えたり、調べたりする時間を持っていますか?ぼくは気になることなら調べてしまうタイプです。だから、休みの日でも仕事のことについて調べたりすることがあります。

それはさておき、今回も心理学の用語解説に入りたいと思います。前回は希望について考えたのでした。次のリンクから飛べるようにしております。

ぜひまだ読んでいない方は目を通しておいてくださいね。

さて今日は”フロー”という心理学の重要概念を説明したいと思います。ポジティブ心理学でも大事にされている用語でございます。それでは内容をみていきましょう。

フロー

夢中になった行動だけに完全に集中して、自分自身のことさえ意識しないで、時間の感覚を失って長い時間が経過している状態、つまり没頭した状態フローと呼びます。アスリートはゾーンに入っている状態と呼び、一般的には高次の意識状態と呼びます。フローという現象を発見して名前をつけたのは、ミハイ・チクセントミハイです。

ではフローが起こる条件はなんでしょうか。課題とスキルの両方が自分より高いレベルで、限界まで力を出す状況が必要であるとチクセントミハイは言います。

チクセントミハイによると、フローとは普遍的な体験であり、次のような特徴を持ちます。
  • ゴールが明確で、かつ進捗がすぐにわかる
  • 完全に集中している
  • 行動と意識が融合する
  • 自己認識や自意識を喪失する
  • コントロール感覚がある
  • 時間感覚がゆがむ
  • 行動そのものに本質的な価値(やりがい)を見出している
そしてフローの経験直後、人間はポジティブ感情が増加するといわれています。

フローは、「多大な労力がかかる問題を、少ない労力で解決する方法」であるともいえます。

フロー体験に結びつく行動は、本質的に楽しいもので、最終的な成果ではなく、行動自体に目的があるので、「自己目的型」と呼ばれることがあります。

フロー体験をえるきっかけは、わたしたちの主観的な認識にかかっています。

フローの危険性

フローはいつでも歓迎すべきものなのでしょうか。そうではありません。たとえばソリティアというコンピュータのトランプゲームにはまって、数時間を費やす体験は本当に生産的でしょうか。

チクセントミハイもフローの危険性を認識していました。

フローへの依存は広い視野を失うことにもつながることがあります。仕事中毒になったひとは、家族サービスに費やす機会と時間を失うかもしれません。ギャンブル依存の人はどうでしょうか。いうまでもなく、社会に悪影響を与えているといわれてもしかたないですね。

チクセントミハイは次のように述べています。

フロー体験はほかのすべてのことと同様、絶対的に「よいもの」とは限らない。人生をより豊かで、濃密で、意味のあるものにする可能性を持っているときだけ、よいということができる。

フローの危険性を認識したうえで、人生を豊かにするためにフローを利用して、必要な時にフローから抜け出る方法を探ることもまた重要なのです。

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

初秋の夜に高橋聡しるす

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