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ハビトゥス|社会学の用語解説

どうもこんばんは、たかはしさとしです。最近の大阪は冬なのに温かい日が続いております。過ごしやすいので感謝しています。あまり寒いと、やはりやる気も力も出ないですからね。これも温暖化の影響かと思うと、手放しには喜ぶことができないのもわかりますけど、春のように陽気な日って過ごしやすくて大好きです。
今回は社会学の用語解説です。フランスの社会学者ピエール・ブルデューの概念であるハビトゥスについて考えたいと思います。

ハビトゥスとは何か

ブルデューの社会学理論におけるハビトゥスとは、傾向性や性向の意味で使われます。われわれ人間の行為や価値判断には傾向性が存在して、その傾向性に動かされてわれわれはあるものを好きになったり、嫌いになったりします。
ブルデュー自身の言葉を借りてみましょう。

ハビトゥスとは、持続性を持ち移調が可能な心的諸傾向のシステムであり、構造化する構造として、つまり実践と表象の算出・組織の原理として機能する素性をもった構造化された構造である。
(ブルデュー『実践感覚Ⅰ』)

少し難しい表現ですが、言っていることは難しいわけではありません。ハビトゥスとは、われわれの評価や行動のさまざまな傾向性のことで、かつその傾向性を生み出す原理のことです。さらに、ハビトゥスは一回限りのものではなく、持続的であり、異なる分野においても同じ傾向を示すものだと言っています。
もっというと、ハビトゥスとは意識的なものではなく、無意識的にわれわれが行為や判断をする際に働く仕組みのようなものです。だからふだん、われわれはハビトゥスを意識することはありません。
われわれの行動やものの捉え方にはパターンがあって、そのパターンこそがハビトゥスなのです。例えば上流家庭で育った人は、バイオリンの演奏を学ぶかもしれません。そうした時にはバイオリンの演奏の方法を身につけていることはもちろん、他にもバイオリンで弾く曲の音楽会での位置付けや、さらに学ぶことで何かを上達することができることを学ぶのです。

ハビトゥスはどこで構築されるか

われわれが持つハビトゥスはどのように構築されるのでしょうか。
ブルデューによれば、ハビトゥスは人間関係、社会的関係の中で作られると言います。ハビトゥスが構築される具体的な場所、それは家庭学校なのです。
そして家庭で身につけるハビトゥスと、学校で身につけるハビトゥスはまた別のものだとブルデューは言います。
家庭の中で身についたハビトゥスは、空気のように自然で伸び伸びとその人を自由に振る舞わせるハビトゥスなのです。つまり家庭で育んだはハビトゥスは、ゆとりがあるハビトゥスです。対して、学校の中で意識的な努力を行って培われたハビトゥスは、禁欲的な規範としてはたらきます。
しかしブルデューは家庭や学校の場だけでハビトゥスが形成されるとは言っていません。一人の人間の人生においても、社会的なパラダイムが変化したりすることでハビトゥスが変わったり、形成されたりすることも多くあります。

われわれがハビトゥスを分類し、同時にハビトゥスがわれわれを分類する

われわれはハビトゥスによって趣味や好みを選びます。同時に、われわれはハビトゥスによって分類される存在でもあります。
ハビトゥスは世界を分類するものであると同時に、ハビトゥスによって行為者が分類されていくものでもあります。傾向性の体系として人間がハビトゥスに分類されることにより、その人の位置が確定され、同じハビトゥスを持つものたちの集団であるクラスターができます。こうして似たもの同士がクラスターを作ることにより、人々は何者かになっていきます。
以上、ハビトゥスについてみてきました。ブルデューの重要概念ですので、ぜひ確認してみてください。最後までで読んでいただき、ありがとうございました、
高橋 聡しるす

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