人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

コペルニクス的転回|哲学の用語解説

2021/02/17
 
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どうもこんばんは、高橋聡です。今日は在宅作業にて仕事をこなしながら色々考え事もしていました。仕事にはいろんな形があるから、在宅でできることはもっと在宅でやればいいと思った次第ですね。

前回の記事|実践理性

前回は実践理性について考えてきました。実践理性について知りたい方は下に記事を貼っておきますので読んでみてくださいね。

コペルニクス的転回

今回はコペルニクス的転回についてのお話です。
対象が意識を作り出すのではなく、意識が対象を作り出すというカントの哲学の立場を、コペルニクスが唱えた地動説が天文学に大転換をもたらした事実にたとえた言葉をコペルニクス的転回と呼びます。カントはこのコペルニクス的転回を次のような言葉で端的に表しています。「認識が対象に従うのではなく、対象が認識に従う」と表現したのです。
ここで、認識する主観が外界に実在する客観的な対象に一致するという伝統的な立場をカントは斥け、客観的な対象の方が主観の認識の枠組みに一致するようにできているんだ、とカントは主張したのです。主観が客観により決定されるのではなく、主観により客観が決定される、というんですね。カントによれば、われわれは外界にモノがあるから、そのモノを見て認識するんじゃないんです。われわれの認識能力を通してモノを見たら、それが必ずそのモノの形姿として現れているんだ、というわけですね。だから同じモノを見ても人間がみるモノと蜂がみるモノは全く違って見えるのだから、哲学は人間にのみ集約されるようになりました。
人間の外に実在する対象を認識するという今でも常識的な考え方を反転し、対象は人間の感性が感覚的な印象を受け取り、その印象を悟性の思考の枠組みにはめることによって構成されるのです。
コペルニクス的転回はこうしたカントの思考法の革命なのです。
以上、今回はコペルニクス的転回についてみてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋聡記す

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