人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

物自体と現象|哲学の用語解説

2021/02/18
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうもこんばんは、高橋聡です。忙しい中に程よい休みがある、これはなんと素晴らしいことなんだろう、って思う今日この頃です。働くことって素晴らしい。そんなことを最近よく感じています。

前回の記事|コペルニクス的転回

前回取り上げたのはコペルニクス的転回という言葉です。カントは自身の哲学をコペルニクスの大発見に喩え、180度見方を転回させるものだと考えたのでした。以下にリンクを貼っておきます。
興味ある方はぜひ読んでみてくださいね。

物自体と現象

今日は物自体と現象について見ていきます。
カントによれば、われわれが経験することができるのは、認識する主観の働きによって構成された対象である現象のみです。あるがままの物そのもの物自体と呼びますが、この物自体は現象の根源にあるとは考えられているものの、決して経験することはできないとカントは主張しました。
カントは自我や自由、神といった問題は経験を超えた物自体の世界に属する問題だと考え、理論理性には解決できない問題だと結論を下しました。
このようにカントが主張したとはいえ、物自体の世界こそが真の世界で、現象の世界は仮の世界だとカントは言いたかったわけではありません。そのようにカントの後の時代に活躍した哲学者ショーペンハウアーは考えたのは確かですが、カントはそのようには考えなかったのです。現象は現実そのものであり、そこから目をそらしてはいけないと考えていたのです。結局物自体は認識できないのであり、だからこそ知り得ないのです。ですから考えるだけ無駄なのです。どちらかに優劣があるわけではなく、ただ事実として物自体は認識できず、感性と悟性を通して構成される現象だけがわれわれは知りうるということなんです。
以上、コペルニクス的転回について考えてきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋聡記す

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