人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

ニーチェという哲学者の存在

2021/05/13
 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。本日はオフィス出社しておりましたが、外は寒いですね。オフィスは暑いですね。ちょっとこの寒暖差にやられ気味な今日この頃です。体調管理は、気をつけましょうね。

ちなみに前回の哲学記事はこちら。


まだ読んでいない方はどうぞ。

ニーチェの話題を避けてきた理由

さて今日の話題はニーチェです。ニーチェの話題はあえて避けてきた部分が実はあります。なぜかというと、ニーチェほどの哲学者を引用しておきながら、適当なことは書けないという思い込みがあったからです。でもニーチェマニア!とブログで名乗っている以上、正面からニーチェに取り掛かることも必要だな、と思いこれを書いています。

さてニーチェについて何を書こうか

とはいっても、ニーチェについてこれをこう書こうと決まっているわけではありません。
ニーチェといえば有名なのは「神は死んだ」ということばですね。でもこのことばはニーチェの中心思想ではないので、今回はスルーしましょう。では何を書こうか。ニーチェのど真ん中!中心思想というべき考え方があるとすれば、それを書くことにしましょうかね。

超人と永劫回帰

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name=”24Yyb”>ニーチェ思想を学ぶ上で、ニーチェが人生をかけて一貫して説いた思想などというものはありません。つまりニーチェの中心思想といったわかりやすい考え方なんてないんですね。人生をかけて説いた中心思想はたしかにないのです。でもニーチェの後期思想、主著である『ツァラトゥストラ』以降の思想でたびたび言及される永劫回帰と、『ツァラトゥストラ』のど真ん中の思想である超人という二つの概念は、ニーチェの思想の中でも決して外せない重要思想なのです。
だから今回は永劫回帰と超人思想を語りましょう

超人という概念について

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name=”6SQE8″>超人は『ツァラトゥストラ』の序説から出てくるとても大事な概念であります。超人とは、人を超えた存在ということです。どちらかというと人間としてのあり方が、絶えず人間を超えたものを志向する人のことを指します。
人間は超人と猿との間にかかる渡り綱である、とニーチェはいいます。人間という存在は、猿にもなれるし、超人にもなれるというわけですね。人間が猿を嘲笑うように、超人から見て人間は笑うべき存在である、とも言っています。
それだけ超人はかけ離れた存在だというわけですね。
ニーチェによれば、超人は一旦約束したら、その約束を果たすまで行動し続けると言います。誓いを立ててその誓いを果たす、というわけですね。複数の徳をもつより一つの徳を極めることを重要視します。徳とは、良い性質や特質などのことです。
超人の特徴は、ポジティブ、元気でいながら人の痛みも知っていて、有言実行で、何より上昇を目指し続けるすごいやつのことです。ニーチェによれば、超人がそのうちやってくると言います。この超人の対概念が末人です。末人はおしまいの人とも呼ばれます。ただ健康だけを追い求め、どうでもいいおしゃべりばかりして、人生とは何かを考えたり人生の重要な問題からにげてばかりいるひとのことてす。そうした末人は群れるのが好きなので畜群ともいいます。
ニーチェのいいたいことは次の通り。
末人のように人生を浪費するな、超人のように自分の能力を全力で発揮できるようなイキイキとした生き方、あり方をしよう。
以上が超人思想の僕なりの解釈です。

永劫回帰の考え方に触れて感じること

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name=”m3pkK”>次は永劫回帰です。その名の通り、永遠に回帰するということが、この考え方の意味するところです。どういうことか。人生が永遠に回り続けて同じところに帰ってくるということです。ニーチェ自身、この永劫回帰の考え方はとても誇りに思ってはいました。でもニーチェは永劫回帰を聖なる虚言と言っているように、そのフィクション性は十分にわかっていたのです。
この考え方はどんなところにいきつくでしょうか。まずニーチェは、人は永劫回帰を最悪のニヒリズムとして経験すると言います。なぜ最悪のニヒリズムなのか。人生が巡り巡っていつか同じところに帰ってきて、同じ経験をするということは、永遠に同じ経験を繰り返すことでもあります。こういう状況だと、ヒトは人生に意味なんて求めることはできません。その無意味性を人は痛感せざるを得ません。
ところでニーチェは、ニヒリズムの徹底こそがニヒリズムの超克につながると言っています。この意味は、ニヒリズムを味わい尽くすほど経験した方が、ニヒリズムから脱出するとこの助けになるということなんです。
だからこそ、最悪のニヒリズムたる永劫回帰を受け入れてさらに突き進めば、最高の人生が待ってるんだ、というわけです。でもそれはどのように可能でしょうか?
ニーチェは永劫回帰のような最悪のニヒリズムを前に、絶望したり、いやになったり、自暴自棄になったりするのは全く間違いだと、と断じます。ただ受け入れよ、受容せよ、というのです。これは大変難しい。でもだからこそ、それが最も人生にとって意味のある解なのです。
永遠に同じ人生があると思っても、それをただ受け入れ、今を一生懸命に生きよ、一瞬一瞬に全力を尽くせ、そうすれば、より良い人生を生きることができるのです。
永劫回帰は最悪のニヒリズムですが、同時に最高の人生の指針だということもできるでしょう。さて、ぼくたちはニーチェのことばをどう受け止めて生きますか?

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name=”74FJ3″>ニーチェを語るまとめ

こうつらつらとニーチェを語ってまいりました。ニーチェの良いところは、本当に元気になることができる点です。陰気くささが全て吹き飛ぶツァラトゥストラの言説にふれて、あなたも今を全力で生きましょう

晩秋の夜にたかはしさとししるす

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Comment

  1. とても勉強になりました!
    ニーチェ、とても難解で、なかなか理解ができないのですが、たかはしさんの解説で少しだけ近づけた気がします。ありがとうございました!
    哲学に関しては、「ああああ!!!わかったー!!!!」という感覚は来ないものだと思っているので、気長に勉強させていただきます。
    —–COMMENT:
    なおきさん
    ありがとうございます。ニーチェって書くの本当に難しいんですけど、その時大事だと感じたものを文章に落とし込むくらいしかないかなーって最近思います。一気にわかるってことは哲学ではほとんどないですよね。徐々に哲学の用語などがわかってきて、コツコツと積み上げていくイメージですよね。参考になって幸いです!

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