人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

持つとある

 
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どうもこんばんは、たかはしさとしです。今日は休みでしたが、割と静かにしていました。こうして過ごせるのってありがたいですね。転職する昨年6月まで休みがまともにない生活をしてきましたから、休みがあること自体が感謝できる素晴らしいことだと気づくことができました。

本日の話題

さて、今回は持つこととあることについて少し考えましょう。財産や知識、社会的な地位などを所有しようとする持つこと、対して自分の能力を能動的に発揮して生きる喜びを確信するようにあることがあります。言い換えれば持つことは所有重視の生き方、あることは存在重視の生き方といえるでしょう。

ガンディーのことば

ガンディーは非暴力主義を標ぼうしたことで有名です。その実践項目として、無所有を主張しています。

所有するというのは、将来のために貯えることを意味します。真理の探究者、すなわち愛の法の信奉者は、明日に備えて何一つ貯えてはなりません。神は明日のために貯えるようなことはしません。言いかえれば、神はその時どきにどうしても必要な物以外は、けっして創造することはありません。
(ガンディー『獄中からの手紙』岩波文庫)

この言葉を考えると、将来のために貯えるということは、確かにその時の繁栄を意味するかもしれません、でもですね、物的資源にしろ、人的資源にしろ、お金にしろ、情報にしろ、供給される量には当然、限界があります。明日のためだと思って、これら資源を貯えてしまうと、当然ほかのその資源を必要だとしている人たちに行きわたらなく可能性も高くなります。だからガンディーは将来のために貯える所有を否定しようとしたわけです。結局所有そのものがどんだけ利他的な動機があったとしても、自己中心的なものに他ならないのです。

そしてガンディーは自分の持つ能力を十分発揮する存在重視の生き方を大事にしました。所有することは直接こういった存在とは全く関係ないことだとガンディーは考えたのです。

存在重視の生き方としてある

あることは存在するということです。存在するとは、この世に生をうけて生きているということです。その生きていることの望ましい形が自分の持つ能力を最大限発揮して人、社会の役に立つことです。

存在することにとって大事なのは、まずは今をしっかりと生きているということです。今から焦点を外して過去や将来を憂えたりしすぎても現状は何も変わらないのです。

あることは、所有から抜け出す方式だと言います。とはいえ、いきなり無所有はハードが高いですね。だから所有を手放す、所有欲に固執しないということが大事になってくるでしょう。何か欲しい物があったとしても、それを心から手放して軽くするのです。

この二つのことができるだけでもだいぶ持つことからあることへシフトすることができるんじゃないでしょうか。まずは持つことを見なおして、ほんとうにこれでいいのかを考えてみましょう。

以上、もつこととあることを考えてきました。最後までよんでいただき、ありがとうございます。

たかはしさとししるす





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