人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

フォイエルバッハ

 
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 人間は、個体としての人間と類としての人間に区別され、個体としての人間は有限だが、類としての人間は無限であり完全である。
 すなわち、類としての人間は神なのである。「人間と人間の神とは一体である」とフォイエルバッハは言う。
 動物は一重の生活を送るのみなのに対して、人間は二重の生活を送る。すなわち、人間は内的生活と外的生活を送る。人間の内的生活は、自分の類・本質と関係する生活である。「人間は思惟する、すなわち人間は会話する、また人間は自分自身と話をする」のである。
 内的生活とは、意識の無限の力が展開する完全な生活である。
      (長谷川宏『いまこそ読みたい哲学の名著』より一部要約)
 フォイエルバッハは、人間自身が作り出した神を人間の内的生活に置き換えた。その内的生活の限りにおいて人間は永遠性を持つ。フォイエルバッハの「キリスト教の本質」は人間と神との絶対的な隔たりを完全に取り除いたのである。これはもちろん人―神を峻別するキルケゴールに敵対する行為だが、ここからマルクスの考えに発展したと考えると興味深い。もっと読み込みたいと思った。

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