β 有限性の絶望は無限性を欠くことである
「無限性を欠くことは、絶望的な偏狭さ、固陋さである。しかし、この場合、固陋さとか偏狭さとかいうのは、むろん、ただ倫理的な意味においてのことにすぎない」。
「絶望せる固陋さとは、原始性を欠いているということである、言い換えると、自己の原始性を放棄しているということ、精神的な意味で去勢しているということである」。
「一般に世間は、本当におそるべきものを少しも知っていない」。本当に恐るべきこととは無論、自己自身の喪失のことである。
ここでいう絶望した人間とは、空想も冒険も失った現代の平均的人間のことである。人はただ数学的数として扱われ、それに順応しきった人間のことを言う。こうした絶望は世間一般では良いものとされ、人は「小石のように研ぎ減らされ、流通貨幣のようのに流通する」のである。
「彼らは、精神的な意味では自己をもっていない。そのためなら彼らは一切を賭けることができるというような事故を、神の前に立つ自己を、もっていないのである」。
『死にいたる病』8 1-C-A-a-β(1-3-A-a-β)
mixi日記
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