『死にいたる病』9 1-C-A-b(1-3-A-b)
b 可能性―必然性という規定のもとにみられた絶望
「生成するためには、可能性と必然性とがひとしく不可欠である。自己には、無限性と有限性が属しているように、可能性と必然性もまた属している。可能性をもたない自己は絶望しているのであり、また、必然性をもたない自己も同様に絶望しているのである」。
人生の現実性は、可能性と必然性との総合である。可能性から現実性への移り行きが生成である。人は、自分の可能性について、あるいは自分の必然性について考える。どちらかが欠けていても、それは絶望なのである。