人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

石川文康『カント入門』 第二章メモ

 
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 ・1764年の懸賞論文「自然神学や道徳といった形而上学的真理一般の第一原理が、幾何学的真理のように判明に証明されうるか否か」
 当時のドイツで主流だったヴォルフ学派を継承するか、捨てるかを選ぶ論文。メンデルスゾーンは継承する道を選び、カントは捨てる道を選んだ。
 メンデルスゾーン―哲学的真理と数学的真理は細部は異なるとはいえ、両方の学は矛盾律に基づいているとする。ヴォルフの方法を踏襲する道だけが残されており、新たな形而上学の建設という問題意識は欠落。
 カント―「時間とは何か」「善とは何か」といった問題に対する一義的な答えは無理である。哲学において定義は出発点ではなく、終着点である。また哲学は多くの証明不可能な命題を有しており、根本真理はすべて証明不可能である。ヴォルフ哲学の最高原理である矛盾率のリコール宣言。証明だけをして満足するような哲学から「より高い哲学」へ向かう必要性を説いた。
 証明不可能な根本原理とは、具体的にいえば『純粋理性批判』における人間の思考の根本枠(純粋悟性概念、カテゴリー)とその客観的妥当性、『道徳形而上学原論』『実践理性批判』における道徳法則や自由などのことである。
 ・ルソー告白
 懺悔し、回心し、誓いを立てた。
 回心―道徳的に生まれ変わること―「わたしは人間を尊敬することを学ぶ」という一文からよく伺える。
 カントはルソーを通して、人間の究極目的の追求こそ哲学本来の道であることを知った。(カントはルソーを仮象批判の先駆者としてとらえていた)
 人間への尊敬の念は「道徳法則への尊敬の念」として具現化される。

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