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仏教で最も大事な三つのお宝

 
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どうも、哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。本日は仏教でもっとも大切にされている三つのお宝というお話です。日本に住んでいる以上、仏教の基本概念を理解していたほうが歴史の理解など深まります。では早速見ていきましょう。

敬うべき三宝

仏教では三宝といって小乗・大乗の別を問わず大事にされている3つのものがあります。三宝とは、仏・法・僧のことです。この三つが仏教を構成する最低限必要な要素だと言っても過言ではありません。

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(写真は大阪府岸和田市の牛滝山大威徳寺)

仏とは、ブッダのこと。悟った人という意味で、覚者とも言います。原始仏教や小乗仏教では、基本的にはお釈迦様ただ一人のことを指します。天上天下唯我独尊ということばがありますが、これはお釈迦様が生まれたときに言ったとされることばです。天上天下唯我独尊の本当の意味は、仏となる可能性のあるものはすべて尊いというくらいの意味です。

大乗仏教では、人間はすべて仏になる可能性があり、大人数を救ってくれる仏、弥勒菩薩や阿弥陀如来、大日如来などのお釈迦様以外の仏が現れます。

原始仏教、上座部仏教、大乗仏教を問わず、仏になるための道を示した経典、つまり悟りを得るための経典のことを仏典と呼びます

仏教という名前があるくらいですから、仏教の中心概念がこのです。だから三宝の中でも一番最初に来ています。

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仏になるための道は日本の仏教を見るだけでも様々です。それが宗派としていろんなものに分かれていると考えてもらったら、仏教の宗派の違いはわかりやすいです。

例えば真言宗や天台宗では即身成仏という概念があります。仏になることを目指す人が、さまざまな修行をすることで生きた身体のまま仏となることができると考えているのです。対して浄土教と呼ばれる浄土宗や浄土真宗では、一度死んだのち、阿弥陀仏の極楽浄土に往生する(生まれ変わる)ことで仏になることができると考えます。浄土宗の開祖法然上人はそれぞれ自力門と他力門に分けることができると言いました。自力門とは、自力で仏となることを目指す仏教宗派のこと、他力門とは本願他力によって阿弥陀仏の救いを求める仏教のことです。

いろんな仏教がありますが、大きくは日本にはその二つの流れがあることを押さえておきましょう。

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法とはダルマのこと。真理という意味です。仏が悟るものは、法です。そしてその悟った仏が説いた教えもまた、法です。仏教は真理を重視する合理的な宗教です。信仰も合理的ゆえに信じるのだ、と仏教者はいいます。

ところが仏教の真理と科学的な真理とは少し異なったものです。仏教の真理は人間にとって特に意味があることを重視します。科学的な真理の発見というものとは、性質が異なります。人間にとって意味のある真理だからこそ、人間の行動の中に表われ出るのです。

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僧とは、サンガのことです。もとは修行者の集まりという意味です。この僧が平和であらねばならないということを、和合の精神といいます。

聖徳太子が「和を以って貴しとなす」といった和はこの和合のことを意識して書かれています。

三宝と十七条憲法

聖徳太子の十七条憲法の第二条では、「三宝をあつく敬え」とあります。十七条憲法は役人が特に守るべきものや行政のあり方を定めたものですが、仏教を中心とした国づくりを聖徳太子が考えていたのはここから見ても明らかです。

まとめ

三宝とは仏法僧のことです。仏法僧が揃っていることで仏教が成り立ちます。仏とは悟った者のこと。法とは真理のこと。僧とは修行者の集い。仏教とは一言でいえば、悟りを得るための教えですが、その方法を巡っていろんな宗派に分かれています。

あなたの先祖の菩提寺はどこでしょう?墓があるのは何宗の寺か、そういったことからまず仏教について調べてみましょうね。

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