5.情欲の奴隷にならないためには
どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今日はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて情欲の奴隷にならない方法について学びましょう。
心の手入れ
一三 屋根を手入れせずにそのままにしてある家には雨漏りがあるように、心を制していないなら、情欲が心に侵入する。
一四 屋根をよく手入れしてある家には雨漏りがないように、心を制しているなら、情欲が心に侵入しない。
心を制することとは、屋根を手入れしていることと同じようなものだ、とブッダは言います。屋根を手入れしていないと雨漏りがあるように、心を制していないと、情欲が心に侵入します。
その結果どうなるでしょう。心を制していないと、感情と欲望が心に侵入し、その結果、心が喜怒哀楽にとらわれすぎたり、心が欲望色に染まります。心がそうなって出てきた行動は、自分勝手になってしまいがちで、周りの人に迷惑をかけがちです。さらに、自分の心に残るのは結局虚しさ(むなしさ)や苦しみだけです。仏教ではこの全体の過程を苦(ドゥッカ)といいます。その原因が執着です。
このように、心を制していないと、情欲が心に侵入して、苦が生じるのです。だからこそ、心を制すのだ、とブッダは言います。心を制して、情欲が心に侵入しないなら少なくとも心で感じる苦はないのです。心を制することは、心の平安へのはじめの一歩だ、ということで非常に大事な考え方です。
個人にどう適用するか
(写真は大阪府和泉市平井町羅漢寺)
ぼくも昔はいつも心を制せず、情欲に侵入を許してしまっていました。だから情欲の奴隷になっていた、といっても過言ではありません。いわば雨漏りし放題の家のように、心の手入れが何一つできていなかったからです。若いうちは仕方ない部分があるとは思いますが、今思い返してもなんとも恥ずかしいです。今は心を制するように心がけています。あなたはどうでしょうか。心を制する必要がないと思っていたら、それは苦にしかつながらないので、すぐに改めたほうがいいです。喜怒哀楽そのものをなくすのではなく、感情に支配される時間を短くするとか、怒っているなら怒っている理由を考えるとか、もっと周りの人のことを考えて行動したほうがいいです。
まとめ
今回学べた内容を簡潔に記すとこうです。
〇情欲の奴隷にならないためには、まず心を制しよう。