人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

4.正しい見方が真実/真理への道

2017/09/20
 
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どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今日はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて正しい見方が真実/幸福への道だということについて学びましょう。

真偽を正しく見極める

一一 偽を真と見なし、真を偽と見なす人々は、あやまった思いにとらわれて、真実に達しない。

一二 真を真と見なし、偽を偽と見なす人々は、正しい思いにしたがって、真実に達する。

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一一は間違った見方をしている人、一二は正しい見方をしている人。間違った見方をしていると、思いも誤ったものとなり、真実や真理に達することはありません。正しい見方をすることで、正しい思いをもつことができ、その正しい思いから真実や真理に到達することができます。

正しい見方・思いは仏の智慧

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正しい見方をすると、その物事についての正しい理解をすることができます。正しい見方(理解)から正しい思いが生まれる。これは八正道の最初の二つの項目を指しています。この二つが叡智を指し、つまり仏の智慧のことを言います。

正しい見方(理解)はものごとのあるがままの姿を見て判断することです。仏教では正しい理解という場合、特に四聖諦を正しく理解して行動できることを言います。四聖諦とは四つの正しい真理のことで、苦諦〔ドゥッカ(苦)の本質〕、集諦〔ドゥッカ(苦)の根本原因〕、滅諦〔ドゥッカ(苦)の根本原因をすべてなくした状態〕、道諦〔ドゥッカ(苦)の根本原因をすべてなくした状態に至る道〕のことです。この四つのことを完璧に理解して、正しい思考ができている状態が叡智、もしくは正しい智慧と呼ばれます。ちなみに正しい思考とは、一切の生きとし生けるものに対して執着せず、愛を示して、非暴力を徹底することです。別のことばでいうと正しい思考とは慈悲そのものです。

つまり正しい見方とは、なんでも物事の正しい判断ができる力のことであり、正しい思考とは、すべての衆生に対する慈悲なんです。仏の智慧の二側面をここで知ることができます。

ここからわかることは、真実/真理とは正しい見方(理解)と正しい思考の二つがあって初めて到達することができるものだ、ということです。特に智慧と慈悲を働かせていけば、必ず真実は見えてきます。

松下幸之助の素直な心の哲学

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松下幸之助氏も言います。素直な心で物事のあるがままを見て、行動せよ、と。大変近いことを言っていると感じました。実際、そんな言っていることは遠くないでしょう。ぼくも正しい理解と正しい思考の二つを特にできるように気を付けています。付言すると、この智慧と慈悲を働かせられる状態だと、真実=幸せが見えてくるということを言っているのだと思います。だって物事のあるがままを見て、すべての存在に愛と感謝をもって接することができれば、それだけで楽しいし、何より幸せだと思うからです。

あなたはどうでしょうか?智慧と慈悲、そんなものは不要だと思っていたなら、思い直したほうがいいかもしれませんよ。

まとめ

今回学べた内容を簡潔に記すとこうです。

〇正しい理解と正しい思考を持つと、真実・幸せに到達できる。智慧と慈悲を働かせるように日々精進しよう

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