14.心と悟りの関係
どうも哲学エヴァンジェリスト高橋聡です。今日はブッダの『真理のことば』(ダンマパダ・法句経)のことばをみて心と悟りとの関係について学びましょう。
心のコントロールは悟りにつながる
三七 心は遠くに行き、ひとり動き、形なく、胸の奥深くに潜んでいる。この心を制する人々は、死の束縛から逃れることができる。
三八 心が安住することなく、正しい真理を知らず、信念が汚いならば、悟りの智慧はない。
三九 心が煩悩に汚れることなく、思いが乱れず、善悪の裁量を捨てて、目覚めている人には、何も恐れることがない。
心を制することが死の束縛から逃れることができることにつながるということが三七からわかります。死の束縛とは輪廻そのものですから、心を制することが解脱することにつながる、と言っているのです。
三八を言い換えましょう。悟りの智慧があるならば、心が安住し、正しい真理を知り、信念が清らかである、ということです。悟りと悟りの実践こそ解脱であり、心が安住した状態とはニルヴァーナ(涅槃、心の平安)の境地ですから、これらがすべてつながっていることがわかります。
煩悩とは解脱を妨げる要素のことで、貪瞋痴の三毒に代表されます。貪り、いかり、無知のことです。これらの煩悩に汚れることがない心をもてば、思いも乱れず、目覚めることができます。目覚めている人は、何も恐れるものがありません。
目覚めている人とは、漢語では覚者といい、悟りを開いた人のことです。
すべての可能性を考慮し、心を備える
ぼくは心を制する存在になりたいです。そのために一つだけやっていることがあります。自分と自分の周りの環境や人々にある可能性、何かが起こる可能性をすべて捨てず、むしろそれを常に想像すること。最悪の事態を想定しておけばだいたい何か起こっても心が動じすぎずに動けるものです。
心を制するものが悟りを開くことができるのです。悟りという漢字を見ると、心を吾のものとする、ということです。結局のところ、心を自分の思い通りにコントロールすることが悟りと関係していることがわかります。
まとめ
今回学べた内容を簡潔に記すとこうです。
〇心を制することは悟りにつながる。悟りは心の平安と解脱を導き、人々を死の束縛から抜け出す道をつくる。