社会学について4 初期アメリカ社会学とシカゴ学派1

社会学・人類学

社会学がヨーロッパで誕生した頃、アメリカは農業国でした。アメリカが急速に工業化をを進める契機になったのはアメリカ南北戦争で国家統一に伴って本格的な産業革命が進行しました。そこで受け入れられたのはスペンサーの社会学でした。しかし、その後シカゴ大学を中心としたシカゴ学派が誕生し、独自の社会学として発展しました。

サムナーの社会学

アメリカのウィリアム・サムナーは、1872年から1909年までイェール大学で教育と研究に従事しました。サムナーが大病をした1890年までは、スペンサーの社会進化論を基本にした思想家あるいは評論家として名声を博しました。当時のアメリカは金ぴか時代と呼ばれる繁栄の時代で、カーネギーやロックウェラーが活躍して、アメリカン・ドリームが実現するようない時代で、社会進化論の影響を受けたサムナーの思想は、サムナー・クラブと呼ばれる信奉者の集まりを生みました。その後、サムナーは大病をした後、政治議論から身を引いて、社会の科学と呼ぶ独自の社会学を展開しました。

フォークウェイズとモーレス

フォークウェイズとは、「民習」や「習俗」と訳されています。フォークウェイズは、生活上のさまざまな欲求を充足しようとする個人の努力から生じる個人的な習慣で、それが集団レベルに広がって社会的慣習になったものです。

第二にモーレスとは、習律と訳されることが多いのです。モーレスとは、フォークウェイズのうち、集団レベルで正しいと信じられるもので、集団維持の観点から遵守を強制されるものです。このモーレスは性、家族、宗教などに関することが多く、たとえばある社会的慣習を破って結婚したり、別の宗教を信仰したりした者は、モーレスに従わないとして村八分に遭うということがあります。

ただし、これは単なる慣習でもなく、道徳のような普遍性ももたない。

我々集団と彼ら集団

サムナーは前述のフォークウェイズやモーレスという概念を説明するにあたって、集団の成員が「我々」と意識するない集団を我々集団(we-group)とよび、「よそもの」と感じる外集団(they-group)に分類しました。

我々集団では、内集団への忠誠心や愛の感情があり、これらの感情は、彼ら集団(他者集団)との対立や構想によって強化されます。サムナーは内集団の平和は、外集団との戦争によって強化され、平和と戦争は相互に発展すると考えたのです。

さらに、内集団を優越的とみて、外集団を排除すると排他主義が生まれることも指摘し、その際に登場する「自民族中心主義」をエスノンセトリズムと呼びました。

ギディングスとクーリーの社会学

サムナーをアメリカ初期の社会学者とすると、ギディングスとクーリーは次の世代を代表する社会学者です。

ギディングスの社会学

フランクリン・ギディングスは、コロンビア大学教授として、アメリカにおける心理学的社会学の基礎を築いた。彼は、類似の知覚や同類意識などから、社会を自然発生的・無意識的に生まれる生成社会と特別の活動のために目的を持って作られる組成社会に分けました。

クーリーの社会学

チャールズ・クーリーはミシガン大学で社会学を学び、同大学で社会学を教えました。クーリーはギディングスに師事して、独自の理論を発展させました。ここでは自我論に焦点を当ててみましょう。

ここでいう自我とは、自分自身が何者であるかを了解できる自分のことをいいます、個人意識の統一体としての自分、つまり「私」を感じる自分と言い換えることができます。そのためには、通常、他人とは違う別個の存在だという個別性、自分はいつも自分のままだという同一性、意思をもっているという発意性、自分を振り返る反省性などを伴います。

哲学、観念論では、古くから自分をいかにとらえるかが議論されてきました。ソクラテスにおいては、無知の自覚が自己認識の出発点になっています。近代人の自我として、自我を正面から取り上げたのはデカルトです。我思うゆえに我あり、というように考える我を自我と考え、近代的個人主義の源流と言えます。

心理学では自我は重要なテーマです。クーリーは人間が鏡を見て自分の姿を知るように、他者の反応を見ながら、自我を作り上げていくと考え、そのような他者との関係で形成される字がを鏡に映った自我鏡映的自我と呼び、それに対する自らの反応によって形成される自我を社会的自我と呼びました。

この場合、他者の見る自分を想像できなかったり、他者の見る自分はを想像できなかったり他者の評価に鈍感だったりすると、自我はうまく形成されません。クーリーのいう鏡映的自我の形成には、①他者が自分をどう認識しているか想像していること、②他者が自分をどう評価しているかを想像すること、③他者の認識や評価に関して、恥や誇りをいだく自己感情をもつことが重要とされます。

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