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日常世界と社会を対象とした現象学

 
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どうも哲学エバンジェリスト高橋 聡です。今日はアルフレッド・シュッツの『現象学的社会学』というアンソロジーの第二章の要約とそこからの考察を見ていきたいと思います。

第一章の要約は次のページにあります。まだ読んでいないなら、ぜひ読んでみてくださいね。

では早速みていきましょう。

日常的態度の世界

要約

日常生活世界とは、自然的態度に基づいて経験される現実世界のことだ。「手持ちの知識」というわれわれ自身の経験やわれわれの両親や教師から受け継いだ経験にもとづいて、日常生活世界についてのすべての解釈が生まれる。

自然的態度にとって、世界とはきわめて実際的な関心を持つ間主観的世界だ。日常生活世界とは、われわれの行為が行われる場所であると同時に、われわれの行為の対象そのものでもある。

単なる<世界内存在>としてのわれわれだけではなく、われわれは世界に対して活動している。われわれの行為によって変えるべき対象としての世界、われわれの行為を変える世界の二つの側面の世界が、日常生活世界なのだ。

考察

自然的態度と超越論的還元の領域という二つの思考の態度があります。シュッツが重視するのは前者。われわれが自然的態度にもとづき経験する世界を日常生活世界といいます。この日常生活世界についてのすべての解釈は手持ちの知識から生まれるのです。

日常生活世界は<世界内存在>であるわれわれが存在する世界であるとともに、<対世界存在>としてわれわれの対象でもあるのです。つまり、われわれの行為に影響を与える世界と、われわれの行為に影響を受ける世界の二つの側面を日常生活世界はもちます。

ここでシュッツは何を言おうとしているのでしょうか。世界とは固定的なもので、われわれは世界の中で暮らしているという感覚は誰でも持つでしょう。ところが、世界もまた、われわれの営為によって変化する存在でもあるというのです。この二重性が「社会」の特徴であり、社会とは「日常生活世界」にほかならないということをシュッツは示そうとしているのです。

生活史的に規定された状況

要約

日常生活世界において、われわれは手持ちの知識をもち、その手持ちの知識を枠組みとして過去と現在の経験に対する解釈、未来の出来事に対する予測を行う。

手持ちの知識の構造とは何か。ひとつは有意性の層で、明らかに意味を持つ知識とそうでない知識に分別される。ふたつ目は、手持ちの知識はあらゆる経験を介して拡大し豊かになる。

考察

ここは短いので、考察は次の項目と一緒に行うこととしましょう。

実際的知識(=手持ちの知識)の特質

要約

日常生活世界における手持ちの知識は、次の特質を持つ。⑴まとまりを欠く。⑵部分的にのみ明瞭。⑶矛盾を含む。

一つずつ解説しよう。

⑴について。まとまりを欠くとは、個々人のもくろみによって、部分的に組織されているだけにすぎず、有意性の範囲は常に変化することである。

⑵について。学問的知識とは違い、手持ちの知識はもくろみにおける見込みを示すものであり、その時の状況でわれわれの行為がどういう結果をもつかということのみが問題となる。

⑶について。一貫性はない。両立しない問題の解決方法を持つことが多々ある。

考察

手持ちの知識はその人にとって意味があるかないかということによって分別され、経験することで拡大されるという構造を持ちます。

手持ちの知識の特質として、まとまりなく、部分的にのみ明瞭で、矛盾を含むものという三つの点が挙げられます。

シュッツは学問的知識より劣ったものとして手持ちの知識を評価したのでしょうか。違います。逆です。日常生活世界(=社会)を分析するにあたって、学問的知識の前提は通用せず、全く別の特質や構造を持つことを留意しないといけないことを説いているのです。

まとめ

日常生活世界、つまり社会というのは分析が非常に難しい対象なのです。シュッツは現象学によって、日常生活世界の構造と特質を提示し、そのことに留意することを説きました。

ぼくもこれらの性質を頭においたうえで、社会をみていきます。あなたもぜひこのことに留意してみてみてくださいね。

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