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社会学について16〜ブルデューの社会学

2018/03/07
 
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どうも哲学エヴァンジェリスト高橋 聡です。今回はピエール・ブルデューの社会学について見ていきましょう。

ブルデューの社会学

ピエール・ブルデューは名門リセ・ルイ=ル=グランを経て高等師範学校に進学しています。フランスではグランド・ゼコールと呼ばれる高等専門学校が特異な地位を占めています。文化や教養に関するヒエラルキーが日本以上に確立しているのがフランス社会です。

ハビトゥス

ブルデューは学校教育のメリトクラシー的効果について、階層によって異なる家庭内教育や特殊な社会環境があることに着目しました。そして上流家庭における行動様式や習慣や嗜好が子供に影響して高い文化資本を身につけてさせていると考えました。そしてブルデューは、習慣行動を生み出す心的傾向をハビトゥスと呼び、ハビトゥスによって生み出される習慣行動をプラティークと呼びました。

習慣とは個人レベルの行動様式で、行動ばかりでなく近くや思考や心理的な傾向も含みます。この習慣が特定の集団の中で共有化されてきたのが慣習で、集団レベルのしきたりのようなものとなります。因習とは、時代にそぐわない古い慣習のことです。

ブルデューの概念ですが、ハビトゥスやプラティークは集団レベルの慣習や因習ではありませんが、必ずしも個人レベルの習慣でもありません。ブルデューのいうハビトゥスはある階層や集団に属する人々が共有するう特徴的な知覚や思考や行為の総称で、日本語の「育ち」や「教養」に近い概念です。上記で説明した慣習との違いは、規範的なものではなく、儀礼やしきたりのように目に見えるものでもないという点にあります。

無意識的なうちに身についた思考様式や行動様式がハビトゥスであり、ハビトゥスに導かれて、飯場自動的になされる行為のことをプラティークと呼ぶのです。

文化的再生産の論理

ブルデューが指摘したかったのは、経済的な環境より文化的な環境が大事だということです。上品で正統的な教養や習慣を持ち合わせている子供ほど高学歴で、さらにその子供も同じく高学歴になるということを統計的に説明したのがブルデューのユニークなところです。

ここに見られるのは文化的再生産の論理です。マルクスは資本主義経済を資本の再生産ととらえ、資本が資本を増殖させる原因は生活資本の私的所有であると問題視しましたが、ブルデューは文化的資本もある階層に独占されていて、文化資本を通じて階層が再生産されていると考えたのです。

さらにブルデューの再生産の論理はハビトゥスやプラティークという無意識的な世界をメリトクラシー(目に見える業績主義)と結びつけたところがユニークです。フランスでは口頭試問や小論文を重視するため、話題や振る舞いが目に見えないところで影響する一方で試験結果は本人の才能や努力によるものとみなされやすいのです。さらに良家の子女を教育するエリート学校では、家庭で身についたハビトゥスが学校の環境と結びつくので伸び伸びと振る舞え、学校の評価基準に結びつきます。その結果、表面的には実力主義によってエリートが再生産させるような図式となり、再生産が正当化されるのです。

社会学ではウェーバー以来、主観的に意味付けられた行為が重視されがちでしたが、ブルデューはこうした主体的で自覚的な行為とは正反対の無自覚で習慣レベルの行為に着目して社会の構造化を解きあかそうとしました。

まとめ

ブルデューの通常意識しない習慣レベルでの振る舞いなどが階層などの再生産につながっているという指摘は極めて興味深いですね。

このように視点を変えて様々なところから見るのがとても大事だといえるでしょう。

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