悩みぬいた哲学者の解答が、人生を生きる指針になる
どうも、哲学エバンジェリスト高橋 聡です。悩み抜いた哲学者の解答が、人生を生きる指針となればとても良いと感じるのはぼくだけでしょうか。今日はそういう本を紹介したいと思います。小林昌平さんの『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(以下、『その悩み』)という本です。
『その悩み』を読む前に考えていたこと
哲学っていうのは役に立つ部分も多いが、ニーチェやキルケゴールなどは例外だが、人生の生き方に直接答えを提出するようなものではない、と考えていました。ソクラテスが「人はただ生きるだけじゃなくて、よく生きることが大事」って言ったのは知っていたが、哲学というとどうしても知識偏重になってしまうイメージがあった。『その悩み』の中身を自分なりに紹介
課題の分離という考え方
あなたは「課題の分離」という言葉を聞いたことがありますか。「共同体感覚」と並んで、アドラー心理学の重要概念です。簡単に説明してみましょう。「課題の分離」とは、「これは誰にとっての課題なのか?」と問い、自分と関係のない課題には足を突っ込まないという原則です。
あらゆる人間関係のトラブルは、他者の課題に踏みこむこと、あるいは自分の課題に踏みこまれることによって起こる
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』より
だからこそ、人間関係のトラブルを避けるには、他者の課題に踏みこまないことが大事なのです。
どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのかを冷静に見極め、線引きする必要があるのです。
この課題の分離が達成できている人の心理状況は次のようなもの。
「自分ができることは努力すべきだが、どうにもできないことはどうしようもない」
だからこそ、他人の人生に口出しをせず、自分自身の人生を全力で生きる必要があるのです。
ベルクソン的時間
時間は客観的に存在するものだとあなたは思っていませんか。ベルクソンというフランスの哲学者は客観的時間を生きるのではなく、主観的時間を生きよ、と説きました。主観的で濃密な時間こそ、時間を生きる私たちにとって自由
なのです。ベルクソンのいう「純粋な持続」とは、主観的で濃密な時間を過ごすことを打算なく続けることです。そうした純粋な持続の状態にあってこそ、私たちの行為が私たちの人格全体から出てくるとき、私たちは自由に生きることができるのです。だから、時間がないと歎くのではなく、今を力強く生きることが大事なんです。