人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

性格を変えるのではなく、マインドセットを変えればうまくいく|ドゥエック『マインドセット』の書評

2021/06/06
 
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どうもこんばんは、高橋聡です。梅雨なのに雨が全然降りませんね。6月に入って月初めのお参りに御霊神社に行って参りました。感謝と平和の祈りを捧げてきました。

今日は心理学に関する本の書評を記したいと思います。以下の本の書評です。

キャロル・ドゥエック『マインドセット―やればできるの研究』草思社

マインドセット

性格を変える

性格、自分の欠点と思う部分を変えようとした経験をあなたはお持ちでしょうか。そのように思って性格や欠点を変えようとしても、表面上のテクニックにたよっていたら、一時的には変わってもすぐに元に戻ってしまいます。

性格をつくりだすのはマインドセット

そんなあなたにお届けしたいのは、今回紹介するドゥエックの『マインドセット―やればできるの研究』です。ドゥエックは自分の性格だと思っているもののほとんどが、あなたのマインドセットがつくりだしているものなのです。これを考えると、あなたのマインドセットを変えると、性格だと思われる部分も変えることができるということです。

マインドセットとは何か

ではマインドセットとは何でしょう。ドゥエックによれば、マインドセットには2種類あるといいます。硬直マインドセットしなやかなマインドセットの2つです。硬直マインドセットは、人の能力は固定的でほとんど変わることがないと心の底で思っている考え方です。成長の力を信じていないため、自分のための自己投資や勉学、努力を重視しません。だから硬直マインドセットの人は、自分ができないことに直面すると、自分の能力不足が原因であると感じて、それを嘆きます。能力は発展しないと思っているため、能力不足を改善する術がないのです。だから硬直マインドセットの人は悲観的な性格に見えやすいのです。

対してしなやかなマインドセットとは、人の能力をのばすことができるという考え方です。能力を伸ばすには、努力や自己投資の道があると信じているため、能力不足だと感じても楽観的に考えて、努力します。自分ができないことに直面するとこれを成長できるチャンスだと捉えて、積極的にチャレンジの機会としてしまいます。

マインドセットと性格

こうしたマインドセットの違いが性格を形作っているのです。しなやかなマインドセットを持つ人は楽観的な性格になりやすく、硬直マインドセットの人は悲観的な性格をになりやすいのです。

いじめにおけるマインドセット

いじめにおいて、硬直マインドセットを持つ子がいじめっ子に回りやすいことはドゥエックの研究でわかっています。人の能力は固定的だと捉える硬直マインドセットを持つ人は、自分の能力や成績が周りより高いとそれを誇っていじめる側に回ることがあります。能力や成績は不変だと思っているので、成長して追い越されることを知らないのです。

対してしなやかなマインドセットを持つ子は、いじめっ子に回ることはほとんどなかったことも報告されています。

マインドセットまとめ

以上ではマインドセットと性格の話をしてきました。結局性格のもとがマインドセットなら、マインドセットは変えることができるのでしょうか。ドゥエックの答えはイエスです。本書に載っているエクササイズなどを一つずつこなしていくことで、マインドセットもよい方に変えることができます。是非本書を読んで、しなやかなマインドセットの側に自分のマインドセットを寄せてまいりましょう。

以上ドゥエックの著書『マインドセット―やればできるの研究』について今回は書評を書きました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高橋聡記す

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