人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

哲学を理解する道しるべを探す

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうも、哲学エバンジェリスト高橋 聡です。今日は哲学を理解する道しるべを探す方法をお伝えします。答えは簡単、自分にあった哲学入門書を選ぶことです。ところがすぐに自分にあった哲学入門書を見つけるのは難しいので、まずは哲学の入門書を手にとってみて、気に入ったのを購入して1冊読み通してみて、わからなかったら別のものに移るのが現実的です。今回はその一冊の候補になるであろう伊藤賀一さんの『これまでイマイチ理解できなかった人もすぐにわかるようになるすごい哲学』(以下、『すごい哲学』)という本を少し紹介しましょう。

なお最近の記事で哲学入門書は次のものも紹介しています。

こちらも是非読んでみてくださいね。

『すごい哲学』を読む前に思っていたこと

哲学の通史的な説明は、どうしても面白くない、または通史的な哲学の入門書より、テーマ別に取り上げた哲学の入門書のほうがわかりやすいイメージがありました。通史的な解説はどうしても長くなりがちだし、哲学者の考えを網羅しようとすると余計わかりづらいと思っていました。

『すごい哲学』の内容を少し紹介

ふたつだけ取り上げます。哲学ってどういうものかということと、モンテーニュについてです。

哲学とはどういう学問?

哲学は「私とその周辺とは何か?」を考える学問であって、その定義では哲学したことがない人はいない、ということになります。ここで認識しておくべきことは、哲学に正解はない、ということです。

一般に仮説を立て、自ら主体的に考えることを”学問”と呼びます。哲学とは「人間について」あるいは「世界について」の仮説を立て、当の仮説を立てた哲学者が主体的に考えることを指すのです。

ぼくもこの点に関しては著者の伊藤さんと異動はありません。踏み込んで言えば、哲学とは原理を探求する学問だとも言えると思います。

モンテーニュ

モンテーニュはフランスのモラリストです。モラリストとは道徳や倫理を重視する哲学者のことです。

モンテーニュは次のように主張します。

人間の理性は不完全であり、そのままでは絶対的真理を認識することはできないため、常に独断と偏見を捉え、謙虚な態度で思索を深めるべきである

そして「ク・セ・ジュ(私は何を知るか)」という懐疑の精神を持ち、自己を知ることを説いたのです。

モンテーニュの発言、理性は不完全であるといった真意はなんでしょう。モンテーニュが生きた当時、理性は神から与えられた最高の能力であると考えられていました。完全な神から与えられた、完全な認識能力だと思われていたのです。その理性を不完全であることを指摘し、不完全さゆえに独断と偏見が生まれる。だからこのふたつの独断と偏見を吟味して試作を深めないといけないといったのです。

ぼくはこのモンテーニュの発言に大いに賛同します。今後どれだけ技術が発展しても、完全に物事を認識することなど不可能です。人がどう感じているか、どう考えているかなどを完全にわかるすべがないからです。だからこそ理性を発展させる努力はするべきだけども、理性をただ過信しすぎるのではなく、人として謙虚に物事に取り組み、考えもまたそうあるべきです。

『すごい哲学』を読んだあとの変化

通史的な哲学史を読んでここまで面白いと思うものはありませんでした。だからか通史的な理解がより深まったように感じました。全体的に鳥瞰図のように哲学という学問を横断的に見るのもまた大切なことだと気づくことができました。全体的にとてもわかりやすく、哲学初心者にも勧められる内容です。

『すごい哲学』を読んだ後に行動すること

プラグマティズムについてあまり興味がわいたことがなかったのですが、『すごい哲学』を読んで興味深い考え方だとわかりました。だからプラグマティズムの哲学者、パース・ジェームス・デューイの邦訳にチャレジしてみます。

まとめ

哲学史の基本的な流れを知りたい人にはお勧めの本です。哲学者の言いたいことのエッセンスを凝縮して書かれていますが、わかりやすく説明されているため読みやすい。通史的哲学史の入門書として非常に面白いのであなたも是非読んでみてください。

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