人文科学系、主に哲学の専門用語の解説を中心とした雑記集

哲学を武器として身につける

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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どうも、哲学エバンジェリスト高橋 聡です。今日はあなたに山口周著『武器となる哲学』の書評をお伝えします。

前回も書評を書きました。哲学入門書で簡単な哲学史の本『これまでイマイチ理解できなかった人もすぐにわかるようになるすごい哲学』の紹介です。こちらも是非読んでみましょう。

では早速『武器となる哲学』をみていきましょう。

『武器となる哲学』の要約

ツイッターでの要約

ツイッターからの引用ですが、以下の通りです。

プロローグ

本書のプロローグでは、哲学を学ばずに社会的な立場だけを得た人は「文明にとっての脅威」だと断言されています。世界のビジネスパーソンが哲学やその近接学問を学ぶのがスタンダードになっているのに、日本のビジネス界では哲学は軽視されている現状を危ぶむ著者の山口さんですが、これは僕も同感です。

ビジネスパーソンが哲学を学ぶ目的は4つあって、
  1. 状況を正確に洞察する
  2. 批判的思考のツボを学ぶ
  3. アジェンダを定める
  4. 二度と悲劇を起こさないために
特に4つ目の目的が世界的には最も大事であるとぼくは感じます。

本編

面白いと思ったところを要約して抜粋。
  • 報酬は不確実に与えられる方がより効果的に強化される(報酬・スキナー)
  • 悪事は思考停止した「凡人」によってなされる。悪とはシステムを無批判に受け入れることである。だからこそ、システムを批判的に思考することが必要(悪の陳腐さ・アーレント)
  • 多くの組織論の研究が多様な意見による認知的な不協和がクオリティの高い意思決定につながることを示唆(悪魔の代弁者・ミル)
  • 「わかる」ということは「かわる」ことだ(他者の顔・レヴィナス)
  • 人が一つの企業として考えてみた場合、この人のバランスシートというのは、その会社から離れてしまうと極めて脆弱になってしまう(反脆弱性・タレブ)
  • 格差や差別に基づく妬みの感情は、社会や組織の同質性が溜まるほどに、むしろ構成員を蝕んでいく(格差・モスコヴィッシ)
詳しくは『武器になる哲学』を読んでほしいですが、全体的に知的興奮が味わえるとてもよい本です。オススメの一冊。

『武器となる哲学』を読む前に思っていたこと

哲学の有用性を軽視していた、というこの一言につきます。哲学は思考のツールとしては優れているが、実生活に応用するには向かないと思っていた節があります。

哲学を伝えたいと思っているぼくですが、哲学の有用性に疑問符があった状態だったわけです。これでは哲学のこともあまり伝わらないはずでした。

『武器となる哲学』を読んだ後の変化

変化したこと

この本を読んでの最大の成果は、哲学に様々な有用性があることを認識できたことです。あとはプロセスからの学びとアウトプットからの学びがあるなど、気づいていないことに気づけました。

これらを得たことで、ぼくはもっと自信をもって哲学を伝えることができるようになりました。

行動すること

  • 哲学啓蒙を積極的にやっていく
  • 現実に応用すれば哲学はどう役に立つのかを自分の身に引きつけて考える

まとめ

哲学はとても事実を見ることの洞察に満ちていることはわかっているつもりでしたが、この本でその確信が深まりました。良書なので、あなたも是非読んでみてください。

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