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できる人とできない人を分けるもの、ドウェックのマインドセットの研究|心理学の用語解説

 
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どうもこんばんは、高橋聡です。今日は少し暑いくらいの気温でした。特に昼間は暑かったです。そんな中今日はトンテキ定食を会社近くの食堂で頂きました。会社は淀屋橋という大阪のビジネス街のど真ん中にあるんですが、緊急事態宣言が出ていても割と人は多いですね。近くにある有名な建物は本願寺津村別院、通称北御堂です。そこへお参りしている人も意外と多い印象を受けます。

前回の記事|楽観的に考える人は健康でいられる・学習性楽観主義

今回はドウェックという研究者のマインドセットというものの考え方を見ていきます。前回触れたセリグマンの楽観主義に関する研究は発展してポジティブ心理学という学問分野へと昇華されました。

ドウェックの研究はそのポジティブ心理学の一端を担う重要なものです。

前回の記事のリンクを載せておきます。
楽観主義者はどんな心構えで、悲観主義者はどんな心構えなのかを考えて、その状態を記録で残して考察したのがドウェックです。この心構えをマインドセットと言います。

ドウェックの2つのマインドセット

キャロル・ドウェックはアメリカの心理学者です。セリグマンが発表した楽観主義を深掘りして考え、楽観主義と悲観主義の源泉となる精神のなかの大事なものを発見したのです。ひとつが固定的マインドセットであり、もうひとつがしなやかなマインドセットです。

しなやかなマインドセット

しなやかなマインドセット(growth mindset)とは、人の能力には限界はなく、変化し成長することもよくあるという考え方のことです。こう考える人は、生まれつきのスキルよりも成長することを重視します。何か自分の能力不足で失敗したら、成長する自分がそこまで成長できていなかったと考えるため、その原因を外部の要因に求めず、自分自身に求めます。さらに精神面の健康も自分の努力次第で未来を切り開くこともできると考えているため、楽天的で重度の精神疾患にかかることはあまりありません。とにかく努力して行動することで成長すると考えているため、諦める前に一度行動してみます。

こういう特徴をもつしなやかなマインドセットですが、例えば1人の同じ人でもスポーツの分野でのマインドセットと勉強の分野でのマインドセットが違うということも考えられます。

硬直マインドセット

硬直マインドセット(fixed mindset)は、人の能力は固定的で生まれつきのものからあまり変わらず、教育による伸び代はほとんどないという考え方です。こう考える人は、自分が失敗すると、自分には能力がないと考えて大いに落ち込みます。凹みすぎて精神疾患にかかる人も多いです。努力は重要ではありません。失敗の要因を自分自身に求めることなく、自分がコントロールできない遺伝要因や環境に求めようとします。自分にできないことと思われることは無能の証明である失敗をしたくないため、挑戦しようとしません。概して硬直マインドセットを持つ人は、悲観的です。悲観主義の正体はこの硬直マインドセットから来るんだとドウェックは考えました。

マインドセット講評

『マインドセット やればできるの研究』という著作が日本語訳でも刊行されているドウェックの本です。悲観主義は硬直マインドセット、楽観主義はしなやかマインドセットと考えたと推測すると、とてもポジティブ心理学の流れが整理しやすくなります。セリグマンから受け継ぎ、ドウェックが発展させたマインドセット研究は、GRIT、気力研究で知られるアンジェラ・ダックワースの達成や成功に関する心理学の研究でさらなる発展を見ることとなります。

以上、ドウェックのマインドセットについて、今回は学んできました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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