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人間の意義とは何か。:ニーチェ『道徳の系譜』のメッセージ

 
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哲学エヴァンジェリスト。 東洋哲学や西洋哲学問わず、面白い哲学をあなたにお伝えします。
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こんにちは!
草の根平和推進者 平高橋聡です!
皆さんは、ドイツの哲学者ニーチェはご存知ですか?
有名な哲学者なので、名前くらい聞いたことがある
という人は多いでしょう。


今日はニーチェの『道徳の系譜』という書物から
あなたへのメッセージをお伝えします。
道徳の系譜 (岩波文庫)
ニーチェ
岩波書店
1964-10



『道徳の系譜』三章 二八
//
禁欲主義的理想を除いては、人間は、人間という動物は、
これまで何の意義も有しなかった。
人間および地上には意志というものが欠如していた。
そして禁欲主義的理想は人類に一つの意義を提出したのだ!
それがこれまで唯一の意義であった。
何らかの意義を有するということは、
全く意義を有しないということよりはましである。
わけても禁欲主義的理想は、
確かにこれまでに存在した限りでの優れた
<<間に合わせ>>で会った。
苦しみはその中で解釈を得た。
人間はその解釈によって救われた。
//    岩波文庫『道徳の系譜』木場深定訳より引用
あなたへのメッセージを取り出しましょう。
禁欲主義、生々しい生への嫌悪感がなければ、
あなたは人間として存在する意義を持たなかった。
何かをしようとする意志があなたにはなかったのだ。
禁欲主義は、あなたがとりあえず生きるために
間に合わせた理想でしかない。
でも、苦しみから解釈を引き出し、
その解釈をするという行為によって、あなたは救われたのだ。

もうちょっとわかりやすく言いましょう。
苦しみがあって、ただ苦しみがありのままに
あるというだけでは、あなたの存在は意義を持たない。
だから、苦しみを消し去ろうとすることをやって
初めて、あなたは存在意義ができた。
そしてその苦しみを消し去ろうとする行為で
あなたは救われたのだ。
そこであなたが持っているものは、否定の意志だ。
意義を持つには、まず否定しなければならない。
そして、否定し続けたあと、突如目覚めて肯定の段階にいくのだ。

あなたは自分と周りを肯定できれば、そこに完全な救いがある。
これがニーチェのあなたへのメッセージです。

最後まで、読んでいただきありがとうございます!

道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫)
フリードリヒ ニーチェ
光文社
2009-06-11

 

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